きっかけはYouTube 飲食業からプログラミングに挑戦
myリスキリングストーリー見よう見まねでプログラミング学習サイトに学ぶ
最初に利用したのは、プログラミング学習サイト、ドットインストール。心に火をつけてくれた憧れのYouTuber推薦のサイトだった。3分動画を見ながらコードを入力することで、初心者や独学者でも手軽にプログラミングを学べるようになっている。
ゲーム制作やシステム開発など多様なコースがあったが、ウェブページ作成からスタートしてみた。コードの羅列を見ても、初めはさっぱりわからなかったが、画面上で手本通りにコードを入力していくと簡単なページができた。うれしくなって、HTMLやCSS、Rubyなどほかのプログラミング言語の講座にも手を伸ばし、次々と受講していった。徐々に慣れてくると、より難易度の高いことまで学べるオンラインプログラミング学習サービス、Progate(プロゲート)の有料プランに申し込み、勉強を続けた。
学び続ける一方で、会社を退職し、ハローワークに行った。職業訓練校のウェブクリエイター養成科を勧められ、3カ月間、毎日受講した。独学で得た知識がより体系的に理解できるようになった。
それまでプログラミングはおろか仕事でITを使う機会も少なかった上田さんだが、未経験からの学びに戸惑いはなかったのだろうか。
「自分は何やってるんだろうと心が折れかけたことは何度もあります。プログラミングを学んだからといって、新しい仕事につけるかどうかもわかりませんでした。ただ自分の持つスキルで誰かの役に立ちたい、海外で働いてみたいという思いが強く、続けることができました」
ほかの仕事を目指すことも考えたのかという問いに対して、上田さんはこう答える。
「最初から職種を絞り込んだわけではありません。接客もしていましたから、キャビンアテンダントもすてきだなとも思いましたが、身長が気になる。とにかく自分にできることから始めてみようと思ったとき、手の届くところにプログラミングのオンライン教材がありました。まずできることから始めて、見よう見まねで学び始めたところ、道が開けたのだと思います」
学びを武器に未経験の仕事に挑戦
職業訓練校の講座を修了し、就職活動を始めた。21年6月、スタッフサービス・エンジニアリングに入社し、常用型派遣で働くことになった。
就業までの間、同社が提供するeラーニングの講座を端から受講した。ウェブデザインやプログラミングからWord、ExcelなどOffice操作まで、400近いカリキュラムから好きな講座を無料で受けられる。
最初に派遣されたのは大学の情報システム部門。HTMLやCSSを使ったウェブサイト更新、学生からのPCに関する問い合わせ対応が主な仕事だ。前任者から数日間の引き継ぎが終わると、業務担当者は自分1人。座学で学んだとはいえ未経験の仕事。不安もあったが、職業訓練校で学んだ教材を引っ張り出してやり遂げた。