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たとえば、朝起きたら太陽光を浴びる。太陽光を浴びることで体は朝であることを認識して「活動モード」のスイッチを入れます。そして、朝食をしっかりとる。

こうしたことで交感神経が十分に高まってきます。

朝、起きたときに「なんとなく体に力が入らない」「会社へ着いても、なかなか仕事モードになれない」などのときは交感神経が十分に高まっていない可能性があります。

一方、夜の「休息モード」に入るときには、交感神経が上がるような過度な運動、テレビやスマートフォン(スマホ)を夜遅くまで見るなどの行為を控えることも大切です。

ゆったりと入浴する、穏やかな気持ちで一日を振り返るなど「休息モード」を意識することで自律神経は自然に整っていきます。

コンディショニングには「よい血流」が不可欠

日々のコンディショニングにおいて血流は非常に大切です。

血流が悪ければ、体中に十分な栄養や酸素が運ばれなくなってしまいます。

すると膝や腰、首などが痛くなる原因にもなりますし、脳に栄養が運ばれなければ、集中して考えたり、感情をコントロールしたりすることがむずかしくなります。

じつは「血流」は思考や集中力、感情などにも大きく関係しているのです。

この血流を司っているのも自律神経。

交感神経が過剰に高まると、血管が収縮し、血流が悪くなります。

反対に、副交感神経が高まってくると、血管が弛緩し、体の隅々の毛細血管までしっかりと栄養や酸素が届くようになっています。

緊張しているとき、頭がぼんやりして集中できなくなってきたり、手の指先が冷たくなってきたりすることがあるでしょう。これは緊張によって交感神経が跳ね上がっている結果、血管が収縮し、血流が悪くなっている証拠です。

そんなときは大きく、ゆっくりと深呼吸をすると、交感神経が落ち着いて、副交感神経が高まってくるので、血流がよくなり、体の状態が整ってきます。

こうした自律神経の働きを理解しておくと、日々のコンディショニングに大いに役立ちます。

とにかく「体の状態」にアプローチする

私は自律神経の専門家なので、気持ちの問題を気持ちで解決しようとせず「まず、体の状態を整えること」を考えます。

たとえば、落ち込んでいる人がいるとき「元気を出そうよ」といくらいっても、医学的に見れば、元気になることはありません。

落ち込んでふさぎ込んでいるときは、交感神経はダウンしていますし、副交感神経も一緒にダウンしている可能性が高いでしょう。

そんなときは少しテンポ感のある音楽を聞くとか、立ち上がって歩いてみる、外に出て太陽光を浴びるなど自律神経が整うようなアプローチが効果的です。

メンタルであれ、フィジカルであれ、調子が優れないときはとにかく「体の状態」をよくするためのアプローチをする。それが私の基本的な考えです。

イライラしたり、モヤモヤしたりしているときも、どうやって気持ちを立て直すかではなく、「どうすると気持ちがリセットしやすい体の状態になるか」を知っておくとコンディション管理は圧倒的にしやすくなります。

気持ちではなく「体の状態」を整えろ、です。

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