リセットには自律神経が効果的 気持ちより体を整える
順天堂大学医学部教授 小林弘幸(1)
リセットの習慣コンディショニングはすべて睡眠から始まる
自律神経を整えるための基本は何といっても睡眠です。
質のいい睡眠ができていると、睡眠中に副交感神経が十分に高まり、朝起きたときから、上手に、徐々に交感神経優位に切り替わり、いいバランスで一日を始めることができます。
しかし、アルコールを飲みすぎたり、夜遅くまでテレビやスマホを観ていたりすると、交感神経が高いまま寝る時間を迎え、副交感神経がしっかりと高まってきません。
いってみれば「活動モードが続いたまま眠っている」ようなもの。非常にちぐはぐな状態になっています。
そうした質の悪い睡眠を続けていると、朝を迎えても、なんとなくぐったりしてしまいます。副交感神経が極端に低く、交感神経も上手に上がってこないため、自律神経が乱れた状態で1日を始めることになります。
そうした状態で朝を迎えると、悪くても半日、実際には一日中「悪い流れ」のまま過ごすことになります。
そのくらい睡眠は大事なのです。
睡眠は1日の状態を決める。ひいては、あなたの人生のコンディションを決めるものです。
さて、そんな基礎知識を踏まえて、ぜひ連載を読み進めてください。
※書籍の『リセットの習慣』(日経ビジネス人文庫)では、「軸を持つ大切さ」「自分や人との向き合い方」「日々の生活で取り入れたいヒント」など99個の「リセット術」をご紹介しています。一つひとつは簡単で、すぐにでも取り入れられるものばかり。連載では次回以降、その一部をご紹介していきます。
小林弘幸

順天堂大学医学部教授。1960年埼玉県生まれ。順天堂大学大学院医学研究科修了後、ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任。自律神経研究の第一人者としてプロスポーツ選手、アスリート、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に携わる。
