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ポラリスに向かってぶれないリーダー

まず組織改革に手を付ける。カンパニー制からビジネスユニット(BU)制への移行だ。サイロ化したカンパニーを社長直轄のBUに再編し、不採算事業や低収益事業の見える化をするとともに、社内各所の技術やソリューションを共有する。そして次世代事業の中核を担うデジタルトランスフォーメーション(DX)の技術基盤をルマーダと名づけ、整備する。

「稼げる会社にする」「社会イノベーション事業のグローバルカンパニーになる」――2つのポラリス(北極星)に向かうためなら、事業売却や子会社の切り離しも辞さない。本書からはそんなぶれないリーダーの姿勢が強く伝わってくる。だからといってトップダウン一辺倒ではない。必要な局面ではボトムアップで現場の力や社員のやる気と喜びを引き出す施策も巧みに繰り出していく。

日立ほどの巨大企業でなくても大企業病に陥っている企業は少なくないだろう。従業員30万人規模の巨大組織で展開された壁を壊していく企業改革の記録は多くの組織人の参考になりそうだ。「この辺は大企業や長い歴史を持つ企業が多い。そうした会社のビジネスパーソンの関心を集めたのかも」と店長の桐生稔也さんは話す。

ChatGPT本が1位

それでは、ランキングをみていこう。今回は4月の月間ビジネス書ランキングを紹介する。

(1)ChatGPT 対話型AIが生み出す未来古川渉一・酒井麻里子著(インプレス)
(2)なぜミーティングで決めたことが実行できないのか矢本治著(日本実業出版社)
(3)日立の壁東原敏昭著(東洋経済新報社)
(4)教科書経営中沢康彦著(日経BP)
(4)頭のいい人が話す前に考えていること安達裕哉著(ダイヤモンド社)

(紀伊国屋書店大手町ビル店、2023年4月1~30日)

1位は『ChatGPT 対話型AIが生み出す未来』。インプレスの「先読み!IT×ビジネス講座」の最新刊で、話題の新技術への関心が高いようだ。NIKKEIリスキリングでも〈ChatGPTとのつき合い方をガイド 質問「達人」めざす?〉の記事で紹介した。2位の『なぜミーティングで決めたことが実行できないのか』は成果を出すミーティングの方法を解説した本。今回紹介した『日立の壁』は3位に入った。経営者や経営学者の「ビジネスに生きる本」の選び方、読み方、使い方を紹介した『教科書経営』、思考の質を高める方法を説いた『頭のいい人が話す前に考えていること』が同数の4位だった。

(水柿武志)

日立の壁

著者 : 東原 敏昭
出版 : 東洋経済新報社
価格 : 1,980 円(税込み)

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