話を聞けない50代は危ない コミュニケーションスキルの基本をチェック
フォー・ノーツ株式会社 代表取締役社長 西尾太
50歳からのリスキリング
写真はイメージ(PIXTA)
50代のリスキリングを後押しするべく、これまで5回にわたって連載を続けてきましたが、今回が最終回となります。多くの方に読んでいただき、あらためて感謝申し上げます。最終回のテーマは、コミュニケーション力です。
人事が50代に最も期待することは、人材育成、すなわち上司として人を育てることです。その前提にあるのが、コミュニケーション力。相手の話をきちんと聞く、伝えるべきことをしっかり伝える、こうしたコミュニケーションの基本スキルがなければ、人材育成はおぼつかないですよね。
下の図は、エン・ジャパンが2019年に実施した「上司と部下」に関するアンケートの一部ですが、「上司に期待していることは何ですか?」という問いに対して1位は「自分の意見や考えに耳を傾けてくれる」でした。特に20代、30代が多いですね。

このような結果になったということは、裏を返せば「自分の意見や考えに耳を傾けてくれない」上司が多いということでしょう。特に部下のいる50代の方は、少しドキッとするのではないでしょうか。
コミュニケーション力は受信力と発信力
コミュニケーション力は「受信力」と「発信力」に分解できます。受信力とは、人の話をきちんと聞くこと。発信力とは、自分が伝えたいことをわかりやすく相手に伝えることです。私が見る限り、ほとんどの人は受信力か発信力に偏っているようです。
受信力が強い人は、人の話を聞くことは得意ですが、自ら話すことはあまり得意ではなく「あの人、何を考えているのかわからないよね」と思われたりします。逆に発信力の強い人は、話は得意でも聞くのは苦手で「あの人、話を聞いてくれないよね」「自分の話しかしないよね」と思われがちです。
例えばですが、ゴルフは一緒にプレーする人と長い時間を共有するので、コミュニケーションにまつわる問題が表面化したりします。先日もある方が「ラウンド中の会話の中で、〇〇さんは何でも自分の話題に持って行ってしまうのよ」と愚痴っていました。相手の話を聞いているようで、聞いていないんですよね。私もこれにはとても気をつけています。
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