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イノベーションの種は日常生活のなかに

なぜ、自分で働く場所を決めることが重要なのでしょうか。山口氏は序文の中で、人生で3つの大切なものとして「誰と」「どこで」「なにをするか」を挙げています。どのような場所なら自分は一番幸せに生きていけるのかを考え、最適な「場所」を選ぶことで累積思考量が上がり、結果として人生の質も大きく上がる、と山口氏は指摘します。

今までは、毎日会社に通勤するのが「当たり前」でした。会社に行くことに疑問を抱かない人も多かったのではないでしょうか。しかし、毎日を同じように過ごしていては、新しい発想は生まれません。

サイエンスで出された正解をアウトプットすれば競争力のある商品やサービスを生み出せる時代は終焉を迎えつつあります。そして、「自分はこれがいいと思う」と信じるものを突き詰めていかないと、多くの人から共感を得られる商品やサービスを生み出せない時代が到来しています。
日本企業は、ここ数十年の間ずっとイノベーションが起きない起きないと悩み続けていますが、これはライフにおいても、ワークにおいても、主体的に考えて決めることをしてこなかった人が圧倒的に多いからではないかと感じています。
(序文 9ページ)

ワーケーションは、単に働く場所を自由に選ぶだけではありません。働く場所を選ぶことは、自分の人生を主体的に選択するきっかけになります。正解がない時代には、何があたるかわからないので、いろいろなことを積極的に行い、アイデアやビジネスの種をまいておくことが重要になります。その手法の1つとしても、ワーケーションで普段は接しない人と出会い、場所から刺激を受けることが大きな資産になるでしょう。

海外に出かけていく。移住をする。転職をする。どれも「場所」を変えることですが、そうした変化に積極的になれない人も大勢いると思います。今すでに疲れているから、これ以上脳に負荷をかけたくないということなのかもしれません。日本の社会全体が、脳に負荷をかけるような体験をする機会そのものをどんどん減らしているようにも思えます。
「脳に負荷をかける」とは、言い換えれば、新しい刺激を受けるということです。反対に、刺激がなく脳に負荷がかかっていない状態は、「飽きている」と表現することもできます。そして、僕はこの「飽きる」ことに対する感度が生きていく上でとても大切だと考えています。
(山口氏コラム① 30ページ)

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