Excelの表を正しく作る方法、守るべきマナーとは?
そのExcel、マナー違反!(1)
ビジネススキル表とは別のデータを、その表に隣接するセルに入力するのもNGだ(図4)。タイトルや単位などを表の近くに表示したい場合も、必ず間に空白行や空白列を入れる。なお、リストのデータは下方向に追加していくのが原則なので、たとえ1行空けたとしても、表の下側のセルには入力しないほうがよい。

図4 リストとは別のタイトルや単位などは、空白の行または列を空けて入力する。また、データを追加入力する可能性があるので、リストの下側には別種のデータを入力しないほうがよい
反対に、1つの表にまとめたいデータの途中に、空白行や空白列は入れないようにする(図5)。罫線などで表の書式を設定していても、データがなければ、つながった1つの表とは見なされない。後で追加する予定なら、取りあえず何かデータを入れておこう。

図5 リストの途中に空白行があると、並べ替えなどでリストの範囲が正しく自動判別されない。後で追加入力する予定で空けたい場合も、何らかのデータを入れておく
データは1件1行が原則、「レコード」を縦に並べる
リストの2行目以降はデータ行であり、1行に1件分のデータを入力する。ここでいう「1件」とは、例えば住所録なら1人分のデータに相当する。データベース用語で「レコード」と呼ぶものだ。並べ方を縦にするか横にするかで悩んだ場合は、レコードが上から下へ並ぶ形にするのが正解だ(図6)。

図6 ピボットテーブルなどの分析機能は、リストが「1件1行」の形式になっていることが前提。この例では「ジュニア」といった部門ごとのデータを1件と見なすのが妥当。この成績表に年度の項目を追加して10年分をまとめるケースを想定してみよう。左図の形だと横に拡張することになり、「オートフィルターで2015年以降に絞り込む」といった処理ができない
項目名以外がすべて数値で、縦横どちら向きにしてもそう違いがないケースもあるだろう。この場合は時系列など、増えていく可能性のあるデータを縦に並べるのが原則だ(図7)。

図7 予算表などは慣例的に年月を横軸にすることが多く、印刷して会議で配るだけならそれでもよい。だが、データを蓄積してデータベース的な処理をするつもりなら、年月を縦に並べる。今後、右ではなく下に拡張する形でリストを作るのがポイントだ