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現役マネジャーほど多忙で、勉強時間が取れない

――現役マネジャーとして忙しく働く中で、勉強する時間は取れそうですか?

Aさん そこが大きな問題です。弊社はオンライン学習サービスの利用など、会社側が社員に学ぶ機会を用意してくれているほうだと思います。最大の問題は、一番研修を受けないといけない層の社員にありとあらゆる仕事が偏っているために、学ぶ時間が取れないことです。これを解決する方法があればと思うのですが。

小早川さん 先日、人事担当者が集まるイベントに行って、30人ほどの人事担当者の皆さんと1対1でお話しする機会がありました。皆さん、eラーニングの限界は感じていました。時間にも心にも余裕がなければ勉強できませんし、一人で学ぶのは楽しくない。eラーニング教材で学び続けられる人は限られると思います。

eラーニングで教材を提供するというやり方だと、学ばなくてもいい人が学び、学ぶべき人が学ばないという現象が起きがちです。それなのに人事担当者の立場としては、コストと平等性の観点から導入せざるを得ないという事情もあります。

特に、私たちに相談に来るのは、ダイバーシティ関連の講座をeラーニングで社員に受けさせたい企業の方たちですが、「ダイバーシティ関連のeラーニングを受けてほしい社員ほど、ダイバーシティ関連の内容を学びたがらない」と聞きます。

最近は、多様化組織のリーダーシップ研修や部下へのフィードバックの仕方を学ぶ研修、コーチングなどを導入している企業は増えています。傾向として、40代の部長、課長、係長レベルが受講するケースが多いです。

数年前に「戦略人事」という言葉がはやりました。先日、早稲田大学大学院 早稲田大学ビジネススクールの入山章栄教授が言っていましたが、人事と経営戦略をつなげるという考え方が、一般的な日本企業ではあまりありません。でも、今後は戦略人事の流れが強まっていくでしょう。経営視点を持つ人材が人事を担当することが増えていき、そうなれば企業も変わっていくと思います。戦略人事を実践している企業で、人事の意思決定権を持つ人は、ほとんどがMBA取得者だったり、経営企画部の経験者だったりしますね。

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