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1対1で向き合う

例えば、プログラミングやスポーツなど一般的な習い事は他の子どもと一緒に学ぶケースが多いため、他者に合わせるのが苦手な子どもにはなじみにくい。保護者も周囲に迷惑がかかることを恐れ、遠慮してしまう。また、発達障害の子どもは好きなことには時間を忘れてのめり込み、マニアックに追求する傾向が強いため、家族や友だちが話についていけない、といったことも起こりうる。

Branchのサービスの最大の特徴は、そうした発達の特性を持った子どもと1対1で向き合い、安心して好きなことを好きなだけ追求できるようにする点だ。

現在展開しているサービスは3つ。「Branchメンターマッチング」は発達障害を持つ子どもと、その子が好きな分野を専攻する学生や専門家とをマッチングするサービス。成立すれば、子どもはメンターに自宅に来てもらったり、一緒に出かけたり、ビデオチャットでやりとりしたりすることができる。2つ目の「Branch room」は東京・代官山にある教室でスタッフと子どもが1対1で遊びながら好きなこと見つけ、没頭できる。さらにコロナ禍を機に始めたのが「Branchオンラインコミュニティ」。住んでいる場所にかかわらず、オンライン上で子ども同士が好きなことや趣味でつながって「部活動」ができるほか、孤立しがちな保護者同士も情報交換ができる。

サイバーエージェントは居心地の良い会社で、このままいたら起業なんてできなくなると思って起業に踏み切った(サイバーエージェントの送別会でのスナップ)

サイバーエージェントは居心地の良い会社で、このままいたら起業なんてできなくなると思って起業に踏み切った(サイバーエージェントの送別会でのスナップ)

中里氏は、Branchを立ち上げるまで発達障害とは無縁の分野でキャリアを築いてきた。07年、サイバーエージェントに入社。子会社のサイバー・バズで広告クリエーティブのディレクションを担当し、1年目で「東京インタラクティブ・アド・アワード」を受賞。3年目には別の子会社の取締役に就任した。その後インターネットサービスのAmebaでプラットフォームのオープン化などを手がけ、13年に独立。立ち上げたのが「Woody」だ。

「サイバーエージェントはとても居心地が良かったので、このまま40歳までこの会社にいたら、起業なんてもう怖くてできなくなるだろうと思ったんです。当時は31、32歳だったので、1回とりあえずチャレンジしてみるかという程度の軽いノリで起業しました」

当初は、当時広がり始めていた電子書籍の市場で勝負しようと考えた。無名の人でも、ブログ記事のようなコンテンツや小説などの自作を、アマゾンの電子書籍端末「Kindle(キンドル)」で公開できるようにするアイデアで、サイバーを辞める直前、藤田晋社長にプレゼンし、始動したばかりだった「藤田ファンド」の投資先に選ばれた。

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