英語力中級でも上級求人に挑戦 収入面でメリット大
ジェイエイシーリクルートメント 黒沢敏浩プリンシパルアナリスト
キャリアとお金を考える自分の英語力が中級ぐらいだなと思っている皆さんには、ぜひ、「上級」案件に臆せず挑んでほしいです。特に相手先企業の状況をよく知るコンサルタントから、英語力上級の求人を直接おすすめされたような場合は、自信をもってください。
もし不安であれば、実際に英語を業務にどのくらい使用するのか、また業務において英語がどの程度重要なのかなどを、事前にコンサルタントに聞いてみましょう。
「上級」案件に転職で高年収実現
本コラムのメインテーマは、「年収」です。自称「英語中級」の方が、「中級」の求人に転職が決まったケースと、「上級」の求人に決まったケースで、決定年収(転職初年度の理論年収)にどれだけの差があるのか、見てみましょう。(※2021年のJAC転職決定実績より)
次のグラフをご覧ください。自称「中級」の方が要「上級」案件に決まったケースでは、要「中級」案件に決まったケースに比べて、決定年収は日系で約190万円のプラス、外資系で約170万円のプラスとなっています。

もちろん年収は英語以外にもさまざまな要素が背景にあり、単純比較は非常に難しいのですが、要「上級」の求人案件にチャレンジする年収面のメリットは大いにありそうだと思っていただけるのではないでしょうか?
本当に上級英語が必要なケースは限られる
また、仕事で本当に「上級」の英語力が求められるケースは、例えば、あまり競争力が高くない商品を英語スピーカーに売り込む(相手は下手な英語を聞くメリットがない)であるとか、あまり芳しくない業績を本国のボスに報告(≒言い訳)しつつ、自分のポジションを含む今後の経営資源を確保する、であるとか、英語力が問われる以前にそもそも非常に高度な仕事力が必要とされる状況だったりもします。
「上級」どころの話ではなく、非ネーティブは、特に理由がなければこうした状況には手出ししない方が無難かもしれません。
さて、今回の結論です。転職できるかもしれないという可能性の面でも、年収面でも、ビジネス経験が豊富で英語力「中級」の方は求人票の「上級」の文字にひるまず自信を持ってチャレンジしましょう!
上級:ビジネス上のプレゼンテーション、交渉能力あり
中級:ビジネス上のコミュニケーション可(会議参加、上司への報告等)
初級:日常会話での最低限のコミュニケーション可
ハイクラス・管理職の転職に強い人材紹介会社のジェイエイシーリクルートメント(JAC)でマーケット研究などを担当し、ホワイトカラー転職市場や給与の分析などで約20年の経験を持つ。人材サービス産業協議会の「外部労働市場における賃金相場情報提供に関する研究会」委員や日本人材マネジメント協会執行役員「人事(HRM)の投資対効果(ROI)」担当も務める。日本証券アナリスト協会認定アナリスト。国家資格のキャリアコンサルタント。ISO30414リードコンサルタント。