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実行で大切な「振り返り」

みんながしょんぼりしている中、1年生の大友だけは「今のチームの状態って、めっちゃくちゃいいと思うんだよなあー」と言います。その理由は、今までは絶対的な先輩たちとよちよち歩きの1年というヒエラルキーの中でやっていましたが、悔しさや焦りや怒りを先輩たちが1年生にさらけ出してくれたことで、「対等になれるチャンスがきている」と捉えていたからです。

よく言われる「心理的安全性」が生まれつつある状況に、このチームはなっていました。ガチガチに凝り固まっていたヒエラルキーが崩れて、カオスな状態を経て一体化したチームになっていくチャンスだということが、「1.1思考」ができている大友には見えていたということです。

そして最後が「実行」です。「実行」で重要なことは、しっかり振り返りをして、その内容を「言語化」することです。言語化ができると「次はどうすればいいか?」が明確になるので、再現性が高まります。「観察する視点を増やしてみよう」「次は違う価値基準でやってみよう」といったように、観察の視点や価値基準などがアップデートされていきます。

「観察」のところで紹介したシーンでは、冨樫が「心理的柔軟性」を手に入れた一方で、葦人もまた大切な気づきを得ています。それは、富樫に説明するために葦人は動画を見ながら喋るのですが、それが自分にとっても非常に勉強になるということです。「自分はここを見ているんだ」と、言葉にしたことで気づき直すことができるからです。

つまり「観察・判断・実行」というのは、最後の「実行」で終わりではなく、振り返りながらこのループを回していくことが重要なのです。「判断から観察」「実行から判断」そして「実行から観察」と、それぞれのステップで必ずフィードバックがあるはずです。これを常に頭の中でグルグルと回すことが、思考(インテリジェンス)が上がっていくことにつながるのです。

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