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自社の将来を語れるマネジャーになろう

こうした若手を部下に持つ管理職はどうすればよいのでしょうか。筆者は管理職の能力開発にも取り組んでいますが、今年のテーマは「自社、自部署の将来を語れるか」にしたいと思っています。

2022年に顧客企業を対象に調査したのですが、自社や自部署の将来を語れる管理職が少なすぎる印象です。管理職に求められる役割や責任は多くありますが、その中でも「自社の未来、自部署の展望をきちんと語り、部下のモチベーションを高める」ことが今まで以上に重要になるでしょう。

「部下のモチベーションを高める」というと、かなりハードルが高いと思われるかもしれません。その場合は、仕事の未来について「部下を不安にさせない情報提供をする」と捉えていただければと思います。

不安を抱える部下に「今まで通りで大丈夫」「余計な不安を持つ前に目の前の仕事をしろ」といったメッセージを送るだけでは、部下は離れていく一方でしょう。部下と自分の相性を気にする人もいますが、その前に、自社の未来が語れる程度の情報を集め、そのために自部署は何を目指すのかを考えてください。そして「10年後はこんな会社になる、こんな部署を目指す」と部下に自信を持って語れるようになりましょう。

そんな未来のことは分からないと思う方もいるでしょうが、「あくまでも現時点では」の将来像で結構です。それだけでも語っていただきたいと思います。

天笠 淳(あまがさ・あつし)
アネックス代表取締役/人事コンサルタント
早稲田大学商学部卒業後、IT企業、金融機関にて人事業務を経験。株式会社アネックス、一般社団法人次世代人材育成機構の代表として、働きやすい職場づくりを主なテーマとし、企業の人事、人材開発のコンサルタントを行っている。次世代人材育成機構では、代表理事として、学生の就職活動へのアドバイスや、社会人のキャリア支援を20年以上手掛けている。著書に『転職エバンジェリストの技術系成功メソッド』『オンライン講座を頼まれた時に読む本』(いずれも日経BP発行)がある。
[日経 xTECH 2023年1月12日付の記事を再構成]

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