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45歳以降のキャリアは40歳までに設計しておきたい

「年齢が上がるほど、満足度が高いキャリアチェンジをするために準備が必要になることはわかりました。では、いったいどれくらいの期間、どんな準備をすればいいのでしょうか?」そんな質問をよく受けることがあります。

ミドルの転職準備はとにかく早めに(写真はPIXTA)

ミドルの転職準備はとにかく早めに(写真はPIXTA)

実際にはどんな業界やどんな職種経験を持っていて、転職や起業後にどんなキャリアを築きたいのか?報酬や働き方など、どんな希望条件を持っているのか?によって準備に必要な期間や準備の中身は大幅に変わってきます。

しかし、あえて大ざっぱに一般的な傾向だと前置きした上で、上記の質問に対しては、以下のように答えるようにしています。

40歳以降のキャリアは30代後半の数年のうちに考えればいいが、45歳以降のキャリアも30代後半で見据えておく必要がある。50歳以降のキャリアは、遅くとも45歳までには、どんな仕事をどんな立場でやっていくのか具体的にイメージして、準備を始めておきたい。

少なくともそう考えて動いたほうが、ある日突然必要に迫られて、一夜漬けで動くよりは明らかに満足度が高い転職ができる可能性は高まります。

もし転職や起業など人生の転換点となるイベントを実行する可能性があるなら、最低でも実行の3年前にはキャリアを見直し、戦略立案を開始しておいたほうがいいと思います。

・自分が考える業界や仕事の周辺にどんな需要があるのか?またはどんな需要が高まっていきそうなのか?
・その市場で売りにできる、自分の中の経験やスキルはどんなものがあるのか?
・それは自分が希望する報酬水準で売れそうなのか、そうでないのか?そうでないとしたらどんな付加価値を追加搭載していかなければいけないのか?

少なくともこれらの要素を一通り考えて、具体的な手順に落とし込んでいくことをお勧めします。

異業種転職や独立起業……遠い目標ほど早めの準備を

準備の内容をさらに深めていくためのヒントを、もうひとつご紹介しておきたいと思います。それは自分の仕事人生を俯瞰(ふかん)して考えるという観点です。

たとえば自分は、70歳まで働きたいのか、60歳でリタイアしたいのか? どれくらいのペースで働いていきたいのか? 生涯をいくつかのフェーズに分けてみた時に、どの段階でどれくらい稼いでいきたいのか?

これらを俯瞰したライフプランを立てることで、いま目の前にある状況に対応するだけではなく、長期的かつ戦略的にキャリアを考えることができるようになります。

その際、遠い目標ほど、戦略的な準備が必要になりますし、ハイリターンをめざすほど、当然ハイリスクとなる傾向があります。たとえば長く働くことめざせば、雇われて働くだけではなく、独立・起業という手段が現実味を帯びてくるし、業界の先行き不安を解消しようと思えば、異業種への転職と言う判断も必要になってきます。

自分にとってリスクがあるように思える手段を選択する際に、事前準備でその不安を潰すことができればできるほど、幅広い選択肢を確保できます。年齢が上がるにつれてキャリアの選択肢が狭まっていく中で、いかに多くの選択肢を確保できるかが、精神的な余裕に直結していきます。

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