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これにより「私立男子御三家」級の進学校にあと一歩及ばなかった優秀な生徒を集めることができた。しかし、午後入試は「劇薬」という側面もある。第1志望校に届かなかった子供は、自信を失ったり、バーンアウト(燃え尽き症候群)のような無気力状態に陥ったりするケースもある。

自己肯定感アップに多彩な部活

しかし、同校には自己肯定感を取り戻す様々な工夫がある。一番大事なのは友達づくりだという。野球部など通常のクラブ以外にアメリカンフットボール、アイスホッケー、ゴルフなど多彩な部活がある。

都市大付属の自動車部、省エネレースで優勝経験も

都市大付属の自動車部、省エネレースで優勝経験も

中でもユニークなのが自動車部だ。「いつも自分たちで考え、話し合ってクルマづくりに励んでいる。省エネレースを競うホンダ主催の全国大会に出場、優勝した経験もある」と同部顧問も務めている菊野暁先生は強調する。各種の行事も盛ん、名物の文化祭は約1万人が集まる。生徒同士だけではなく、入学早々から教員との面談の機会を増やし、コミュニケーションを重視している。

施設も充実している。自動車部も使う技術室のほか、物理、化学、生物の実験室はそれぞれ2部屋あり、「ボッと見ているだけではなく、みんなが手を動かせるようになっている」(菊野先生)という。元工業大付属らしい空間だ。

国英数の基本演習を重視、補習も適宜実施して細かくケアしている。中高6年間で徐々にモチベーションを上げ、学習の練度を高めて大学受験に備える。同校OBの保護者は「うちの息子も第1志望は御三家の男子校だった。都市大付属には比較的のんびりとした生徒が多い。ただ友達同士は仲がよく、教員の面倒見もいい。最終的には志望校に現役合格できた」と振り返る。

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