東大進学増へ「プロ校長」 志願者トップ競う都市大付
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東京都市大付属中高校長に4月就任した篠塚氏
中堅進学校として足元を固めた都市大付属。次のステップに向けて招へいしたのが篠塚校長だ。翠嵐の校長として3年間で東大合格者数を20年の26人から21年は50人、22年は52人と大幅に伸ばした。篠塚校長は「歴代の校長や教員、そして生徒が努力した結果」と謙遜する。
ただ、「翠嵐の教員には覚悟がいる。大半の教員は東大卒ではないが、東大志望の生徒を教えなくてはいけない。自分は無理、疲れたという教員を励ましながら、みんなのやる気を高めるのが校長の役割だ」という。実は篠塚校長は神奈川県の教職員として36年間のキャリアを持つが、うち12年間を県教育委員会の人事担当者として過ごした。神奈川の場合、この人事担当者が公立高の教員の人事異動を決める。篠塚校長は人事マネジメントのプロでもあるのだ。
プロ校長を迎え、1日午前入試に参入
「定年を機に新しい挑戦をしよう」と都市大付属の校長に就任した。最近、首都圏の名門公立高の校長が私立校の校長にスカウトされるケースが増えている。埼玉県立浦和高校校長だった杉山剛士さんは武蔵高校・中学校長、都立日比谷高校前校長の武内彰さんは白梅学園高校校長にそれぞれ就任し、進学実績向上や学校改革にあたっている。少子化で学校間の生き残り競争が激しくなる中、プロ校長のニーズが高まっているわけだ。
都市大付属は23年2月1日から「午前入試」に参入することを決めた。第1志望の生徒を増やし、もう一段のレベルアップを図るのが狙いだ。篠塚校長は「受験は団体競技。生徒同士、そして教員が一丸となって努力すれば、各人の目標を達成される」という。プロ校長の新たな戦いが始まっている。
(代慶達也)