働き方改革、20代成長にマイナスも ぬるま湯は拒否
リスキリングプレーヤーズ
若手人材育成にはフィードバックが大事と語る大沢さん
――リスキリングしても成果を出せなければ意味はありませんね。うまく効果を上げている企業はないのでしょうか。
「口コミを見ていると、IT系大手では富士通が効果を上げ、スコアもかなり上昇傾向になっています。社内公募制も導入して、リスキリングして新たなポストに就くというふうにインプットとアウトプットがつながっています。学ぶと業務のつながりがポイントです。日立製作所も企業内大学を設置して、人材育成を推進してスコアを上げています」
経営トップがリスキリング、G検定を取得
――今の日本の会社は人的資本経営が問われています。人材価値の最大化が企業の課題ですね。
「そういう意味でもリスキリングは避けられないと考えています。以前は社内に少ない、ITエンジニアなどの人材は外部から調達すればいいとキャリア採用を拡大していました。しかし、DX人材なんてそもそも市場には限られています。報酬では外資系やコンサルには勝てない。だからこそ社内でリスキリングを進め、DX人材を自前で育成する必要があるわけです」
――リスキリングはまず経営人材こそ必要との指摘もありますが。
「その通りだと思いますね。実は私自身もAIの基礎を学び、『G検定』を取得しました。プログラミングまでできる必要はないと思いますが、エンジニアなどと対話する上でAIやデータ分析などの知見や知識がなければ、新たなビジネス開発はできないと思います」
「昨年末にオープンワークが東証グロース市場に上場したこともあり、2月の決算発表時にはうちも人的資本経営の情報開示も実施しました。まだ社員は80人余りですから、データ的には出しづらい面もあります。しかし、口コミサイトを運営する我々であるからこそ、『従業員エンゲージメント』を大事にしており、人的資本経営を率先して追求してゆきたいと考えています」
(聞き手は代慶達也)