人事評価に納得できない、部下に不満を持たれない方法
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人事評価の結果への不満は、モチベーションの低下を招きます(写真はイメージ)=PIXTA
筆者の本業の1つが、研修講師です。企業から依頼を受けて、働き方やキャリアなどに関する研修をしています。多くの企業で賞与が支給される今の時期は、受講者の表情がいつもより心なしか明るいような気がします。一方で中には、賞与額に納得がいかない人もいるでしょう。
賞与額に影響を与えるのが人事評価です。人事評価の結果への不満は、モチベーションの低下を招きます。また高評価だった人も、それを成長につなげるには留意したいポイントがあります。それぞれ、評価者の視点から見ていきましょう。
人事評価が良かった部下こそ面談をじっくりと
まず人事評価が良かった場合。評価者である上司と、非評価者である部下との評価面談は穏やかに進みます。「良かったね」「ありがとうございます」と言葉を交わした後は大した話もせず、短時間で和やかに終わる傾向があります。
しかし評価が良かったときほど、今後の成長について話し合うことが大切です。良かったのは、既に終わった仕事に対する評価です。良い状態をより良くするためにどうするのか、それを考えるためのいい機会なのです。
高評価を得た部下もそれを伝える上司も、気分が良いものです。こうしたときこそ過去を冷静に振り返り、今後の成長について時間をかけて話し合ってください。上司からは「今後の成長のためにさらに頑張ってほしいこと」を冷静に伝えられますし、部下も素直に受け止められるでしょう。
部下からは「自分自身だけでなく、チームの成長のために何がしたいか」の意見をもらいます。上司に対する期待や本当は取り組んでほしいことなどを話してもらうのもよいでしょう。
お互いに機嫌が良い評価面談の時間は、とても貴重です。評価が良かった部下に対してこそ、しっかりと時間を使うべきだと筆者は考えています。
反対に、部下が「評価に納得がいかない」と考えている場合はどうでしょう。
評価が納得できない理由は人それぞれですが、上司が見落としてはいけない点が1つあります。
それは「目標設定をした後、半年や1年の評価期間の中で互いにフォローをしていたか」です。