変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック

納得できない人事評価の問題は「目標設定時」にあり

理想的な目標管理ではまず、目標設定時にしっかりと話し合って、部下の役割と上司の関わり方をしっかり決めます。その後は月に1度でもよいので互いの役割を再確認しつつ、現在の状況を整理します。その結果を基に最終的な評価を付ければ、納得はしやすくなります。

しかし実際には、目標をしっかり話し合わず、上司としてどう関わるかも決めずに部下を放置してろくにフォローしないケースがあります。そして評価時に「今期はダメだったね」と言われたら、部下は納得できるはずがありません。

仮に最も良い評価だったとしても、納得感は薄いでしょう。一方的な目標を設定して期間中放置された末に「今期は良かったね」と言われたら、「上司は自分の何を見ていたのか、上司は一体何をしてくれるのか」と感じます。上司への感謝も、一緒に達成したという共感も生まれません。

上司としての関わり方も決める

評価者の立場にある人は、ぜひ目標設定と人事評価のプロセスをいま一度確認してみてください。

目標設定と人事評価は部下の半年~1年間の活動を決めるだけのものではありません。その経験は部下の今後のキャリアにつながっていきます。可能な限り、今後のキャリア形成も考慮したうえで目標設定すべきです。

その際には、上司として目標達成にどう関わるかも決めてください。部下が「自力で取り組みたい」と言うなら、最低限の報連相(報告・連絡・相談)のタイミングを設ければよいでしょう。手厚いサポートを望む部下や経験の浅い若手には「どの場面でどのような関わり方をするか」を決めて、しっかり管理する必要があります。

納得できる人事評価をするには、目標設定が肝心です。それを心に留めて取り組んでいただければと思います。

天笠 淳(あまがさ・あつし)
アネックス代表取締役/人事コンサルタント
早稲田大学商学部卒業後、IT企業、金融機関にて人事業務を経験。株式会社アネックス、一般社団法人次世代人材育成機構の代表として、働きやすい職場づくりを主なテーマとし、企業の人事、人材開発のコンサルタントを行っている。次世代人材育成機構では、代表理事として、学生の就職活動へのアドバイスや、社会人のキャリア支援を20年以上手掛けている。著書に『転職エバンジェリストの技術系成功メソッド』『オンライン講座を頼まれた時に読む本』(いずれも日経BP発行)がある。
[日経 xTECH 2022年7月14日付の記事を再構成]

新着記事

Follow Us
日経転職版日経ビジネススクールOFFICE PASSexcedo日経TEST

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック