転職幹部に必要な大人度 キャプテン型リーダーの時代
経営者JP社長 井上和幸
次世代リーダーの転職学次の時代のリーダー像
先日、米国と日本でアーリーステージのスタートアップ企業に投資を行っているスクラムベンチャーズ創業者の宮田拓弥さんとお話しした際、成功する起業家の2タイプを伺いました。

次世代のリーダー像は……(写真はPIXTA)
1つは、超・良識派でありグッドコミュニケータータイプ。誰もが慕う、人が自然とついてくるリーダーです。いま、日本のスタートアップ若手起業家に、このタイプがとても多いですね。
私もこの数年、20代・30代起業家の方々と週に2〜3名ずつお会いしてきていますが、皆さん、社会的テーマを抱き、真摯に誠実に事業開発に当たられています。一般の40代・50代よりもはるかに精神的に成熟していて、バランス感覚も非常に高い。お話ししていてとても刺激を受けますし、尊敬します。
こうした起業家の増加は次の時代への希望であり、日本もまだまだ捨てたものではないと確信させてくれます。
もう1つのタイプとして宮田さんが語ったのは、人としては絶対に付き合いたくないが、とてつもない革命を起こすリーダーです。
スティーブ・ジョブズであり、ジェフ・ベゾスであり、イーロン・マスクであり、マーク・ザッカーバーグであり…。とてつもない思い込みの強さ、自分が思う世界を構築することに対する譲らなさ、我の強さ。それがゆえに人に対する当たりの強さや人格否定などなど。
世界を動かすリーダーにはこのタイプも多いですね。そのポテンシャリティを持つ人は絶対に(極少数だとは思いますが)日本にも存在しているはずですが、日本ではこのタイプは世に出る前に潰されてしまうケースが多いと思います。
そもそも、戦後から一貫して、これまでの日本の教育システム自体が「前に習え」「金太郎あめ」型の画一性を徹底的に求め、枠からはみ出さない人材を作るものでした。
しかしご承知の通り時代は変わって久しく、これまでにないものを生み出す、これまでとは違うやり方をすることからしか次の成功モデルは出てこないいま、画一的な人材ばかりではイノベーションは起こせません。
これからの日本の創造と変革のために、非連続的ジャンプを起こす可能性のある、とてつもない妄想を実現してしまうような「変人的リーダー」も出てくるような環境、人材観、輩出の仕組みも非常に重要でしょう。
そもそも、日本人特有の同調圧力から、どう抜け出せるか。いきなり国全体では難しいと思いますが、そこからまず先んじて抜け出した企業やコミュニティが、次の時代をけん引するに違いありません。