4月はスタートの季節 入社後すぐやるべき10項目とは
リンクトイン日本代表 村上臣氏(9)
ビジネスの視点「なぜ」と思ったことは早めに聞くことが大事
当社では入社してすぐやるべき10項目をまとめていますが、まずはとにかく聞くことです。もちろん、入社前からある程度の知識や情報を持っていると思いますが、自分が思い込んでいたり、予想していた会社と実際の職場はズレている可能性もあります。中途のキャリア採用の場合、いまさらこんな基本的な質問は恥ずかしいとためらう人もいますが、同様な職種でも前職と現在の職場では仕事の内容が大きく異なるときもあります。逆に3カ月もたって基本的な質問をしたら、「この人、今まで何やっていたの」と疑問符を打たれるでしょう。「なぜ」と思ったことは早めに聞くのが大事です。

コロナ禍のリモートワークではOJT機能が弱ると指摘する
しかし、今は新型コロナウイルス禍。在宅勤務の社員が増えています。従来なら隣の先輩社員に気軽に聞けたことも聞きづらくなっています。若手社員は隣の先輩が取引先と電話でやり取りする内容を聞きながら、仕事を覚えたりしました。優秀な先輩の姿を見て、「盗め」とも言われました。職場に座っているだけで、周囲の人々が自分に何を期待しているかも分かったと思います。しかし、リモートワークではそこが難しい。職場内訓練(OJT)の機能が弱り、新人や中途採用の社員は孤立しやすくなります。
上司や先輩は小まめにケアし、様々な質問に応じるなどコミュニケーションを取る必要があります。何が自分たちのチームの役割なのか、その社員には何を求められているのかということを明確な言葉にしなくてはいけません。今や(ポストごとに明確に定めた仕事内容と報酬に基づき業務を遂行する)ジョブ型雇用が主流ですから、どんな成果を上げれば評価されるのかを明文化しなくてはいけないでしょう。コロナ禍で「盗め」や「自分で覚えろ」は通じません。