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子供は遊びが仕事、お受験幼稚園とは違う

浦安こども園の淺野園長

浦安こども園の淺野園長

この園の開園にも携わる渋谷教育学園浦安こども園(千葉県浦安市)の淺野恵美園長は、「うちはお勉強しようと、ワークブックやドリルをやらせる座学重視のこども園ではない。幼児にとっては遊びが仕事なのです。今日はどんな遊びをしたいのか、自分で考え、それをやり抜く環境を提供している」という。

教育目標は元気に遊べる子、根気よくやり抜く子、素直で思いやりのある子、そして読書好きな子の4つを掲げ、今はやりの「お受験幼稚園」とは違うようだ。

東京ディズニーランドの近くにある浦安こども園を訪ねてみた。対象は0歳児から5歳児まで、220人余りの乳幼児が通っている。教職員などは約70人、複数担任制としているため、スタッフ数は比較的多い。廊下は広く、屋内に温水プールもある。各保育室には「自調自考」の文字が掲げられている。

完食は強要しないが、自分で判断して伝える

「手を使って食べてもいいし、完食しなくてもいい」。1~2歳児のクラスをのぞくとちょうど給食タイムだった。2歳児の中には、手でつかんでスパゲティを食べている子もいたが、淺野園長は「モノに触れて、感触を確かめながら食べるのは悪いことではない」と話す。完食も強制しないが、「どこまでなら食べられるかを自分で決めて、それを担任の先生に伝える約束になっている」という。

完食は強要しないが、自分で判断して伝えるのが約束

完食は強要しないが、自分で判断して伝えるのが約束

「野菜が嫌い」。大人になっても苦手な食べ物がある人の中には、子どもの頃の給食でむりやり食べさせられた経験がトラウマになったという人も少なくない。しかし、同園では「しつけという意味での無理強いやダメ出しはしない。あくまでも本人が考えて決める。そういう習慣を付けるようにしている」。

1人の女児が不機嫌な顔をしながら、食事の席に座っていなかった。「本人が今食べたくないと思ったら、こちらは待つことにしている」。食べるか否かの意思決定も本人次第。しかし、わがままを認めているわけではないという。食後はそれぞれの園児が自分で片付けを始めた。それが約束だからだ。10分後に不機嫌だった女児も食事を始め、約束を守った。

食事の後はそれぞれの園児が玩具などを使い遊び始めたが、無秩序に大騒ぎする子どもはいなかった。過度なストレスが少ないからなのか、複数担任制で先生の目が行き届いているからかもしれない。ちなみに玩具は園児のニーズや安全性を配慮した先生たちの手作りのものが少なくないそうだ。

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