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遊ぶ公園は自分たちで考え、選択

こども園のカリキュラムの中には英語や体操、水泳もある。こども園で屋内に温水プールがあるのは珍しい。実践的な英語授業は渋幕、渋渋両校の看板の一つだが、「こども園では英会話を学ぶという以上に、ネーティブの外国の人と触れ合うのが狙い」という。

園内には温水プールもある

園内には温水プールもある

大半の時間は、周囲の公園での遊びに費やされる。近くには様々なタイプの公園が7~8カ所もある。「今日どこの公園で遊ぶのか決めるのも先生ではなく、子どもだ。もうすぐ運動会だから、かけっこをしようと広いグランドのある公園を選ぶのも子どもたち。常に彼らの意思を尊重する」

淺野園長は「子どもは親の所有物ではない。これをしろ、あれはダメはやめた方がいい。うちの園は危ないこと以外は自由にやらせる。転んでみて初めて痛みも分かる。自調自考を体得するには、自分で考えてやりたいことを追求し、様々な体験をして、学びは楽しいと感じることが大切」という。

親発ではなく自分発で、自己肯定感高める教育

浦安市の関係者は、「こども園等の入園は自治体で管理しているため倍率は表に出ないが、渋谷さんのこども園は地元では断トツ人気だ」という。自発的で将来が楽しみな児童を輩出していると評判があがり、入園希望者が増えている。渋谷教育学園には小学校はないが、同園から千葉市の渋幕に進む生徒もいる。

同園の統括園長も兼任する渋幕の田村聡明校長は、「幼児期から色々な習いごとをする子どもは増えている。でも親発ではなく、自分発でないと、長続きしないし、身につかない。トレーニング的に勉強をやらされる時期もあるかもしれない。しかし、自分が学びたいと思って、楽しい、必要だと認識しないと、自己肯定感も高まらない」という。幼児教育は自律型人材育成の出発点だ。

「学びが楽しい」がリスキリングにも不可欠

ちょっと話は変わるが、今はリスキリングが求められている時代だ。しかし、「もう勉強はごめんだ」というビジネスパーソンは少なくない。

リスキリングをテーマにした対談で、「世界最高齢のアプリ開発者」として知られる87歳の若宮正子さんに日本人がリスキリングに消極的な理由を問うと、「多くの親は、子どもの頃に志望校を目指せと必死で勉強させるが、勉強嫌いになるばかり。それよりも勉強は楽しいと教えてほしい。そうなれば社会に出てもリスキリングもしやすくなるのでは」と答えた。渋幕の田村校長も「その学びが必要、楽しいと自己認識しないとリスキリングも進まないのでは」と語る。

ある意味で人生は学びの連続だ。幼児期はそのファーストステップといえるだろう。自分でやりたいことを考えて、主体的に学ぶ、それが社会人となってリーダー人材となる第一歩と言えるだろう。自調自考を身につけた子どもは、リスキリング時代でも存分に活躍できるかもしれない。

(代慶達也)

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