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分厚い本はハサミで切り、一読して要約

過密スケジュールを促したのは父親。子供の頃は宇宙飛行士に憧れ、エンジニアになりたいと思っていたが、父親から「お前は理系だけでは物足りないだろう」と言われ、語学も時間割に組み込んだ。

ただ、当時のインドでは日本はアジアの遠い国でしかなった。なぜ日本語を選択したのだろうか。

父親から「あのウニャウニャした文字は面白そうだ」と勧められたからだ。あまりにも複雑な漢字仮名交じり文に引かれた。

「学ぶことが楽しかったので何事もポジティブに受け入れた」と笑う。当時は同級生と遊んだり、女性とデートすることにはあまり関心がなった。ただ、朝から晩までインプットの連続では、予習や復習の時間も割けない。そこで短期集中型の学習法を身につけた。

よぎ副校長の特別講義は生徒に大人気だ。

よぎ副校長の特別講義は生徒に大人気だ。

まずは教科書を一度だけ読み通す。次にその要約をA4の10枚程度にまとめる。「分厚い本だと眠くなってしまう」。各章ごとにハサミを入れて切り、何冊かの本に分けて、読解してまとめるという学習法を繰り返した。頭の中がスッキリ整理されて、面白いほど知識が吸収された。よぎさん流の学習法は土浦一高の生徒らにも伝授している。

一方で取捨選択もした。「捨てることも大事。物理学とドイツ語はやめ、ITと日本語に注力した」という。ITは2年で終え、地元IT企業でバイトを始めた。特に日本語にはまり、成績が大学でトップになった。学生でありながら、非常勤講師に抜てきされるほどだ。97年に日本政府の奨学金で短期留学した。近代化された日本社会に魅了された。何より感心したのはすべてのプログラムがジャストインタイムで予定通りに動いていることだった。

99年に再び日本に留学し、言語学者の金田一秀穂さんらの教えも受けた。この後、インドのホンダ系部品メーカーで一時働いた。日本人トップから心に残る教えを受けた。「自分の記憶力や想像力を信じてはダメ。必ず紙に書いたり、描いたりした方がいい。物事がうまくやれるか否か見えてくる」。以来、筆まめになったという。

2001年に人生が大きく動いた。転職したIT企業から日本に派遣され、日本への留学中に知り合った中国人女性と結婚した。02年にはインドで長男が誕生したが、実は出産後9日目に妻は中国に戻り、シングルパパになった。途方に暮れるところだが、よぎさんはめげない。

100時間プログラムの育児スクールに通った。自分の母親からもインド古来の子育て法を学んだ。「おかげで育児中に息子を泣かせたことはない。マメに哺乳瓶でミルクを与え、毎日オイルマッサージをして健康を守った」

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