仕事ができる人になるには 転職ブロガーが語る人材論
『WORK 価値ある人材こそ生き残る』より
ブックコラム
かつては、公務員や大手企業の会社員になることが「安定」と呼ばれていました。しかし今では、いわゆる「安定」した職業はなくなりつつあります。私たちは、本当の意味で「安定」を手に入れるにはどうしたらいいのでしょうか。その答えは、「本当に仕事ができる人」になるしかありません。当たり前ですが、会社に属していてもいなくても、どこでも高い評価がつく人になるのが、いちばん安心なのです。
自身5回の転職を経験し、転職に関する情報サイト「転職アンテナ」を運営する起業家、moto(戸塚俊助)氏の新著『WORK 価値ある人材こそ生き残る』(日経BP)より、本当に仕事ができるようになるにはそうしたらいいかを、担当編集者が抜粋、編集して紹介します。
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労働市場での自分の評価をいつも見据えるべき
きっと多くの人が、会社や上司の評価を気にしながら働いていると思います。しかし、本来気にすべきは「労働市場における自分の評価」です。
あなたがもし会社でリストラされてしまったら、市場で評価されるのは「あなた個人で、どれだけの成果が出せたのか?」という点です。
たとえば、営業成績や社内表彰などはたしかにすごいのですが、市場で評価されるのは「会社の看板がない自分」です。
「新卒で〇〇社へ入社し、売り上げ目標を前年比120%で達成。四半期の全社会議でMVPを獲得し、入社初年度には社長賞を受賞しました」という実績は、一見すごそうに見えます。しかし、ここには「あなたは個人では、何ができる人なのか」という点がありません。MVPや社長賞も「実績」ではありますが、あくまで「社内の物差しにおける評価」なので「そうか! この人を採用したら売り上げが上がるかもしれない!」とはなりません。
市場で評価されるのは、結果のすごさではなく「『どうやって』目標達成率を120%にしたのか?」という部分です。
「プロジェクトの大きさや結果のすごさより『あなたが実行したアクション』における思考の深さと濃さ」が重要です。