副業で実践リスキリング 熱海の街づくりに飛び込め!
myリスキリングストーリー社会人向け連続講座で体系的に学習
大学時代からまちづくりに関心があったという本田さんは、04年に損保ジャパンに入社。企業の社会的責任(CSR)を担当する部署を経て、13年と18年に産休・育休を取得した。仕事をいったん離れて家や地域で育児をする中で、「会社と家の往復だけが人生なのではなくて、やはり、(自分や家族が暮らす)地域の中で生きがいを見つけたいし、地域の中で暮らす人たちをつなげるようなこともやってみたい」と強く思うようになった。
一方で、30代後半となり、働き盛りの同僚たちを横目にビジネスパーソンとして自分がおいていかれるような焦りも感じていた。英語を勉強したり、グロービスの学び放題で講座を受けてみたりと、リスキリングに向けて少しずつ動き始めた。
こうした中で21年、今のサステナビリティ推進グループに異動になったことが1つの転機となった。立教大学などによる社会人向け連続講座でサステナビリティーを体系的に学習。過去に環境省に出向して地球温暖化対策に取り組んだ経験も相まって、サステナビリティーの本質に目が行くようになったという。「学校で学んだことを実践してみたい」という気持ちがどんどん膨らんできた。
まちづくりや地域への関心と、業務やキャリア形成としてのサステナビリティーへの関心。この2つを仕事の一環として実現できるのが、熱海でのプロジェクト型副業だったというわけだ。本田さんが勤務する損保ジャパンには、社会課題に向き合うことのできる社員を増やすというミッションがあり、それともピタリと重なった。
巻き込み力やプロジェクト推進力を身に付ける
副業を入り口にしたリスキリングは、実際に業務を経験することで、知識だけではない実践的なスキルを得ることができるのが特徴だ。実際、本田さんはどのようなスキルを身につけることができたのだろうか。
もちろん、発信やライティングのスキルが磨かれたというのはある。ただ、それよりも、行政、NPO、企業、熱海に暮らす人、外からやってくる人など、多種多様な「ステークホルダー」と協業することで気づいた「巻き込み力」や「プロジェクト推進力」といった力を得たことが大きいという。
「会社として、保険で収益を上げることだけではなく、災害に強い地域社会づくりに貢献することで会社の成長にもつなげるといったことが求められています。地域のNPOとつながったり、様々な企業を巻き込んだりしながら災害に強い地域づくりに取り組むことを、サステナビリティ推進グループが先頭に立って進める必要があります。今回の経験は私自身のキャリア形成に、とてもプラスです」(本田さん)