転職した元同僚の「新天地は楽しい」に惑わされるな
技術者の働き方ホントの話セレクション冷静に自分の気持ちを整理しよう
ちょうど冬の賞与を受け取り、それを区切りに転職する同僚も出てくる時期ではないでしょうか。12月中旬に最終出社を終え、たまった有給休暇の消化に入るというのは一つのパターンです。まずは同僚の熟慮と決断を尊重したいものです。
仲間を嫉妬する気持ちもあるでしょうが、そんなときは以下を参考に、自分の気持ちを整理してみましょう。
・転職で成功した仲間は報告に来るが、失敗した仲間は現れない
・転職したら人間関係は一から作り直し。その苦労を自分はしたいのか
・転職で給与が上がっても生涯賃金で考えたら得とは限らない。それを意識する
・転職することはある程度リスクを取ること、自分はそれを必要とするか
・本人に実力があっても、会社の風土が違えば能力発揮ができないこともある
・転職したら人間関係は一から作り直し。その苦労を自分はしたいのか
・転職で給与が上がっても生涯賃金で考えたら得とは限らない。それを意識する
・転職することはある程度リスクを取ること、自分はそれを必要とするか
・本人に実力があっても、会社の風土が違えば能力発揮ができないこともある
これは起業や副業などでも同じです。生き生きと仕事を楽しんでいる人は、それなりの苦労をしています。良い話だけでなく、そうした苦労や本音を聞くことで、自分が同じ道に踏み出すべきかどうかを冷静に考えられるのではないでしょうか。
何だか、部下から転職の報告を受けて、それを思いとどまらせる上司の説得のようになってしまいました。とにかく筆者がお伝えしたいのは、仲間への憧れだけで安易に転職を決断するのは自発的とはいえず、良い結果にもつながりにくいということです。
天笠 淳(あまがさ・あつし)
アネックス代表取締役/人事コンサルタント
早稲田大学商学部卒業後、IT企業、金融機関にて人事業務を経験。株式会社アネックス、一般社団法人次世代人材育成機構の代表として、働きやすい職場づくりを主なテーマとし、企業の人事、人材開発のコンサルタントを行っている。次世代人材育成機構では、代表理事として、学生の就職活動へのアドバイスや、社会人のキャリア支援を20年以上手掛けている。著書に『転職エバンジェリストの技術系成功メソッド』『オンライン講座を頼まれた時に読む本』(いずれも日経BP発行)がある。
アネックス代表取締役/人事コンサルタント
早稲田大学商学部卒業後、IT企業、金融機関にて人事業務を経験。株式会社アネックス、一般社団法人次世代人材育成機構の代表として、働きやすい職場づくりを主なテーマとし、企業の人事、人材開発のコンサルタントを行っている。次世代人材育成機構では、代表理事として、学生の就職活動へのアドバイスや、社会人のキャリア支援を20年以上手掛けている。著書に『転職エバンジェリストの技術系成功メソッド』『オンライン講座を頼まれた時に読む本』(いずれも日経BP発行)がある。
[日経 xTECH 2022年12月15日付の記事を再構成]