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「救世主幹部」が共通してやっている3つのこと

3)期待したコミットがみられない

幹部採用での悩みを聞いていると、経営者や人事責任者、あるいは部門責任者が最ももやもやしているのは、「どうもこれまで入社してもらった幹部から、もう一つコミットを感じないんだよね」という話です。企業理念に共鳴していると思えない。「腰掛けモード」ではないか。すぐ転職を考える癖が付いている。と言うのです。

こうした懸念が見え隠れする候補者については、そもそも採用してはいけないのが鉄則ですが、職歴や専門に魅力を感じるがゆえにリスクを感じつつも、「うちではちゃんとやってくれるだろう」と期待して採用する。そして結局(やはり)、裏切られる。そういったケースが珍しくありません。

企業側へのアドバイスとしては、どんなにスキルや経験が合致していたとしても、特に幹部としては自社へのコミットメントがない人を採用しては絶対にいけないということに尽きます。転職応募者側の皆さんには、「ミッション、ビジョン、バリュー(MVV、=Mission, Vision, Value)」に共鳴できない企業や、職務テーマにのめり込めない案件、生涯とまではいわないにしても「この役割を何としてもやり遂げたい」と心から思えないポジションには、絶対に転職してはいけませんよと、この場で念を押しておきたいと思います。

では、「来てくれて助かった」と感謝される幹部はと言えば、「期待はずれ」の逆ですね。「期待以上の職務成果を出してくれている」「組織強化・活性化でリーダーシップを発揮してくれている」「自社に心から共鳴し、コミットしてくれている」。このような転職幹部こそ、部下達からすれば頼もしい救世主、経営者からすればついに手に入れた、絶対に手放したくない参謀です。

(1)期待以上の職務成果を出してくれている

これは言うことはありませんね。当人も企業も、何も文句を言う筋はなく、本人はやりがいある状況ですし、企業側からしても「ああ、やはり来てもらって本当によかった」。あとは、このままこの良い状態をお互い継続していくばかりです。

なぜ、着任後に良い結果が出ているのか。それには、「テーマ・課題の認識に互いのずれがない」「物事の進め方、スタイルについてのイメージや好みに互いのずれがない」「任せ方・任され方に互いのずれがない」の3つのずれのなさがあります。

1点目、2点目は当然重要なのですが、私が見ていて、入社された幹部のかたのパフォーマンスを大きく左右するのは、3点目の「任せ方・任され方」の認識や好み、スタイル、得意・不得意の企業側と転職者側との合致度合いだなと感じています。

力のある幹部は、自分が託された責任範囲においては、任せ切ってほしいと思っています。企業側、経営者が、しっかり任せ切れているか。また、何は相談してほしいか、確認してほしいかのラインをはっきりと決め、お互いが「握っている」かが肝心です。転職する側の皆さんには、このあたりについても選考時にしっかり確認やすり合わせをしておくことが入社後に「こんなはずでは」を防ぐ鍵となります。

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