変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

―田中氏

自分について突き詰めて考えることは、具体的にどんな方法でやればいいでしょうか。

―内田氏

日々の仕事の棚卸しの話と自分の人生のゴールの話の両方を同時に考えることは難しいので、年に1回くらい1日か2日かけて考える時間をとることだと思います。私はボストン・コンサルティング・グループの時代「一人オフサイト」をやっていました。一泊二日でホテルをとって、全部遮断してノートに自分について書き出しました。有名な言葉で「緊急性が重要性を駆逐する」というのがありますが、家や会社でもできるかもしれませんが、緊急性を完全に排除するためにそんな方法をとっていました。

―田中氏

今日から始められる思考力の磨き方があったら教えていただけますか。

―内田氏

自分の得意領域をどう作るかということだと思います。期待される役割を実現するには何が必要かを考えながら、その分野で必要な知識を増やしていって、「○○のことならあの人に任せれば大丈夫」と言われる領域を作ったら勝ちです。そして、そういった能力は絶対的なものではなく相対的なものなので、自分が所属している組織の中でいかに絞り込んで作っていくかが大事です。一般的なできるビジネスパーソンよりも尖ったビジネスパーソンのほうが、結果的には思考に優れたビジネスパーソンになると思います。

会社からの期待とマッチしなければ……

―田中氏

「やりたいことをやる」と「求められる人材になる」の関係についてはどう考えていますか。

―内田氏

私はそれを「期待役割」と言っています。例えば、会社が潰れそうなときはイノベーションを起こせる乱暴者が必要ですが、平常時にはそういう人は拡散要員になります。そういった期待役割を理解することが大事で、その期待役割と自分のやりたいことが合っているかどうかの問題だと思います。ミスマッチの場合は無理に合わせようとせず、自分のやりたいことを磨いていけばいいと思います。自分がやりたいことを会社が求めていなければ他へ移ってもいいですし、選択肢はいくつもありますから前広に考えていけばいいと思います。

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