転職しなくても「働き口を探すスキル」を持つべき理由
技術者の働き方ホントの話セレクション新卒で入社した会社にいつまで勤務し続けるのか。「新卒入社した社員の3割が3年で辞める」のように若年層の定着率に関する調査結果が注目されがちですが、先日、異なる視点の調査を目にしました。
NEXER(東京・豊島)が運営するキャリア関連サイト「CAREER BIBLE」が2022年5月29~31日に実施したアンケートです。「現在も新卒で入社した会社に勤めているか」を、30代以下/40代/50代のそれぞれ150人に尋ねています。
「現在も新卒で入社した会社に勤めている」は、30代以下で32.7%、40代で17.3%、50代で16.7%でした。この調査に回答した40代、50代の8割強が、新卒で入社した会社を辞めているということです。これはかなり高い割合でしょう。

NEXERが運営するキャリア関連サイト「CAREER BIBLE」が実施した調査の結果(出所:CAREER BIBLEの調査データを基に日経クロステック作成)
興味深かったのは、同調査の「転職を考えたことがある理由」です。20~30代は人間関係や給与を挙げた人が多いのに対して、40代以上では経営悪化や業績不振への言及も目立ちます。早期退職制度や解雇などの対象になることを不安に思い、転職を考えるケースも多いと考えられます。
つまり、転職は誰にでも起こりうることです。履歴書を記入する、エントリーシートを書くといった転職スキルは、名刺交換のマナーと同じように社会人なら身につけておくべき基本になるでしょう。
50代の33.3%が「退職して現在はどこにも勤めていない」と回答していることにも注目です。無職のほか、起業したり個人事業主になったりしている人もいると想像されます。望んで独立した人だけでなく、転職の選択肢が限られてやむなく起業という選択肢を選ぶケースも多いでしょう。
こうなると、転職スキルだけでなく起業スキルも必要になってきます。年功序列で身分と収入が保証される時代は終わり、年齢とともに「働き口を探し、収入を得るスキル」を習得・保持することが求められているといえそうです。