3人の「リトル孫正義」に聞いた AI時代は働かなくてもいい?
AI時代のリスキリング
AI時代にはどう社会は変わり、どんな学びやスキルが求められるのか。Chat(チャット)GPTなど生成AIが急速に普及、教育やビジネス、そして社会全体に大きな影響を及ぼそうとしている。AIを活用しながら、自分の競争力を高めるにはどんな学びが必要なのか、〝リトル孫正義〟とも呼ばれる若手の異才が集う「孫正義育英財団」のAI人材3人に語ってもらった。
矢倉大夢さん 灘高時代から天才プログラマーと呼ばれ、現在は筑波大大学院の博士課程に在籍するAI研究者
山田 祐太朗さん 筑波大学附属駒場高校から米エール大学に進学、AI・データサイエンスを専攻して現在はシアトルでインターン中の大学院生
早川尚吾さん AI音声事業を手掛けるCoeFontを起業、グローバルに事業展開し、現在は東京工業大学に在籍する学生起業家
AIで有名作家風の翻訳は可能
――AI時代到来でビジネス社会がどう変わってゆくと思いますか。
早川さん 私は実際に起業していますが、AIをExcelように手軽に使えるようになってきています。1人の優れたプロジェクトリーダーがいれば、以前であれば、プログラマーなどの100人程度のスタッフが必要な場合も、2〜3人でやれてしまうようになると考えています。AIはプログラムも書けるし、かなり省力化できます。

灘高時代に天才プログラマーと呼ばれた矢倉さん
矢倉さん AIが分かりやすく、まともな文章を作成してくれるので、そのための労力は必要なくなり、生産性は上がるでしょう。人間は文芸や書道などのアート的な能力を追求し続けるでしょうが、ホワイトカラーの事務処理能力の必要性は下がりますね。
早川さん アートの話の余談ですが、人間でなければ、独創的な面白い小説は書けないかもしれない。しかし、その英語版を出版する際に海外の有名作家風のスタイルで翻訳してとAIに指示すれば、それ風の文章を書いてくれます。AIは著名な作家の本はすべて読み込んでいますから、有名作家風の翻訳は可能なわけです。
山田さん 現在の生成AI「GPT-4」を使いこなすには、脳内で考えたことをきちんと言語化して、明確に伝えるプロンプト(質問や指示)能力を高める必要があります。これまで上司が部下に指示する際、結構適当で曖昧な指示をしても、うまく部下が受け止めて仕事が回っていたケースもあると思います。
しかし、今の生成AIはまだ、「あれ、やって」と命じるだけで全ての仕事が回るというレベルではないので、少なくとも短期的には、AIを使いこなすスキルを高めることが重要です。
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