人生に作戦名をつける 自分のキャリアを取り戻す方法
八重洲ブックセンター本店
ビジネス書・今週の平台思考と行動は言葉で接続される
このプロセスで重要な役割を果たすのが「言葉」だ。「なんとなく考えていることを言語化することで認識に至り、認識によって行動が先鋭化される。つまり、思考と行動は言葉で接続されるのだ」。こう著者は言う。著者本人が実践した「9マス思考法」をたどりながら、どのように自分の内側と向き合い、言葉にしていくか。そしてその9マスからどのように作戦名を言葉にするかが明らかになっていく。
言葉を用いて自分の過去・現在・未来のきっかけと行動と学びの解像度をあげていくプロセスはなかなかスリリングだ。「自分の人生に作戦名をつけることは、自分の人生のオーナーシップを取り戻すことである」ともいう。人生100年時代といわれるだけに、この方法は著者と同世代の40代にも、定年を過ぎた60代にも有効だと話し、多くの世代のモヤモヤした人たちの背中を押すことも忘れない。
「『「言葉にできる」は武器になる。』は息長く売れたが、この本も同じようにファンを増やしていきそう」と同書店でビジネス書を担当する川原敏治さんは話す。やりたいことが見つからない。キャリアの先行きに不安がある。そんな人は本書を読んでキャリアの棚卸しをしてみるのもよさそうだ。
プロ格闘家の生き方本が3位に
それでは、先週のランキングを見ていこう。
1位は、定型業務を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツールなどを手掛ける米ユーアイパスの日本法人の最高経営責任者(CEO)が先進導入事例を解説した本。大映を率いた永田雅一を曽祖父に持つフードビジネスコンサルタントがその帝王学を書いた本が2位に入った。3位は、K-1王者のプロ格闘家が自身の考え方や行動原理、生き方をまとめた一冊だ。今回紹介した『きみの人生に作戦名を。』は4位だった。5位には、経営者向けの結果を生み出すメソッドについて創設者が説いた、21年刊の本が入った。
(水柿武志)