新卒入社の超大手をためらいもなく辞めた2人 共通点は「IT業界でスキル高めたい」
立命館大学 西山昭彦 (2)
大リスキリング時代の転身 成功と失敗の研究
文系からIT(情報技術)エンジニアへ転職
多くのビジネスパーソンが新しいスキルの習得を求められる「大リスキリング時代」を迎える中、成功する人・失敗する人にはどのような要因が見られるのだろうか。実在のビジネスパーソンの事例を分析することで答えを探る本連載の第2回は、大企業を去った20代の2人を取り上げる。
自分の成長をめざして
一橋大学時代の私のゼミ生だった中村圭吾さんは学生時代損保を第1志望にしており、念願通り大手損保に内定し就活を終えた。損保業界は自動運転やサイバーセキュリティーの深化など社会の複雑化に合わせてビジネスが拡大すると見込まれ、また大手3社の競争力は高く、就職先として申し分ないと私は思った。
中村さんより学年が1つ下の相良悠太さんは熱心に就活をして8社に内定し、最終的に大手通信会社に入社を決めた。ネットワーク社会はますます進み、インフラの拡大で先行してシェアを取っている会社の競争力は高いので、こちらも最良の選択に見えた。教員としては、2人は理想的な就活をしたと感じていた。
ところが、わずか数年後のことだ。おのおの会社を辞めたと報告があった。一体、なぜ? 大いなる疑問を持って2人から話を聞いた。
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