株式投資のイロハを指南 成長企業を見極める秘訣は
『父さんが子供たちに7時間で教える 株とお金儲けの教養。』
若手リーダーに贈る教科書株式投資で日常生活の景色が一変
株式投資とどう向き合えばいいのか。著者は数々の失敗を重ねた教訓をもとに、こう述べています。
「初心者が株式投資を始めるのは、決まって株価が上昇基調にある時期なんだ。毎日株価が上がってるというニュースを見る、知り合いが株で儲かった話をしている、だから自分もと勇気を持って始める。ところが株は上がったり下がったりする。だから上がった後は下がる。証券口座のサイトをチェックすると具体的な金額がマイナスになっている。初心者はお金が減った経験がないから、少しのマイナスでもうろたえる。そしてしばらく上がらなければ売ってしまう。これで必ず損するんだよ。それが何回も重なると『自分は株式投資に向いていない』とあきらめてしまう」(259ページ)
株式投資では、株価を形成する要因の分析とその予測にとどまらず、こうした投資家心理、主観的な要素があることに著者は言及しています。生活に関わる貴重な資金を元手に実際に投資をする上で、初心者にとっては相当な胆力が必要になるということでしょう。しかし、仮に過去に失敗したとしても、その投資判断の失敗から学ぶ姿勢を著者は説いています。
(第7講 いざ、実践 343ページ)
お金を稼ぐ、もうける、その目的以上に、常に学びの姿勢を大事にする――。著者が本書を通じて、最も言いたかったことの一つであるように思えます。
◆編集者のひとこと 日本経済新聞出版・長沢香絵
「投資の本って、どんな良書でも、初心者が最後まで読み切るのは意外と大変だったりしますよね」「最後のページまで苦もなく読めるような本が作りたいですね」。そんな会話からスタートした本書。親子3人の対話形式で展開していますが、子どものいる方だけではなく、投資やお金の知識を身に付けたい方全てにお勧めできる内容だと思っています。
「お金持ちの正体」に始まり、かつややセリアなど身近な商売から学ぶもうけの仕組み、〝投資しくじり先生〟としての著者の体験など、いずれも内容が純粋に面白く、編集担当者は、原稿をもらうたび、他の仕事を後回しにして真っ先に読んでいたものです(笑)。
これまで投資入門書に挫折した経験がある……という方こそ、ぜひ手に取ってもらえたらうれしいです。