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お金の使い方を日常的に考える

実際のお金もいらないし、講師を呼ぶ必要もありませんから、やろうと思えば明日からでもできます。しかも学校だけじゃなく、家庭でもできるはずです。実際、僕が知っているユダヤ系米国人たちの家庭では、そういう教育を子どもが小さい頃からやっています。お金の使い方を日常的に考える中で、自然と経済や金融に関する知識も増えていくでしょう。

最近はどうやってプログラミングを子どもたちに教えるかなどと、大人たちは一生懸命に頭を悩ませていますよね。でも私はそんなことより、子どもたちに何にお金を使いたいかを考えさせる方が先だと思います。何に使いたいかを考えると、世の中の仕組みも見えてくるし、こんな社会になっているといいとか、こういうサービスがあるといいというのが見えてきます。自分の思いを実現するにはどういう仕事をし、いくらぐらい稼げばいいのかもつかめてきます。そのためにプログラミングが必要だとなれば初めて「よし勉強しよう」という気になるでしょう。

目的も分からないのに「とりあえずプログラミングを勉強しなさい」というのは、これから野球をやるのか、テニスをするのか、サッカーをするのかも分からないのに、「とりあえず基礎トレーニングだけはやっておきなさい」といっているのと同じで、非常に効率が悪いし、そんなことをいわれても勉強する気にならないんじゃないかな。読者のお父さん、お母さん、ぜひ明日から、親子でお金の使い方のディスカッションを始めてみてはいかがですか。

松本大
1963年埼玉県生まれ。87年東大法卒、ソロモン・ブラザーズ・アジア証券を経てゴールドマン・サックス証券でゼネラル・パートナーに就任。99年マネックス設立。2004年マネックス・ビーンズ・ホールディングス(現マネックスグループ)社長、13年6月から会長兼社長。08年から13年まで東京証券取引所の社外取締役、現在は米マスターカードの社外取締役を務める。

(ライター 石臥薫子)

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