英語essayの道しるべ ディスコースマーカーって何?
書いて話せる!サリー先生の英語術前回は「英文essay書いて慣れよう 主題はっきり伝えるコツは」で、英文essayのパラグラフ(Paragraph)/トピックセンテンス(Topic sentence)とサポーティングセンテンス(Supporting sentences)/ パラグラフライティングのポイント=「抽象的より具体的」「繰り返しを避ける」――についてお伝えしました。これらを理解できると、単純に訳す和文英訳の1文からロジカルなessayライティングへの一歩を踏み出すことができます。中級からは、一語一句の英訳からの脱却を目指してください。
それでは早速、本題に入りましょう。連載25回目の今回のお題は英語essayのライティングに欠かせないディスコースマーカー(Discourse markers)についてです。順に次の3つの観点でご紹介していきます。
●Versant writing testでの「構成」
●ディスコースマーカーの分類と整理
パラグラフ間を論理的に関連付ける「のり」
1:ディスコースマーカーとは?
ディスコースマーカーとは一体何でしょうか。Linking words、Transition words とも呼ばれたりもします。例としては for example、in addition、however などで、文やパラグラフをつなげる「のり」の役割を果たします。主に接続詞や副詞句などです。日本語では「談話の標識」と言い、例えるならば道路にある標識みたいなものですね。
行く先を指し示して文と文をつなげる言葉やフレーズであり、これが論理的な文章を書くために必要です。文章の展開がわかりやすいessayは文と文、パラグラフとパラグラフがこのディスコースマーカーによってうまく関連付けられています。ライティングだけではなく、リーディングの長文読解などにも役立ちます。
ここで1つ注意点があります。効果的に使えば読み手はパラグラフの展開をより明確に理解できますが、必要以上に使いすぎると全体に「重くなる」「しつこくなる」あるいは「流れを妨げること」があるのでダメなのです。ぜひ、ここで整理して「適度に」「必要があるときに」うまく使えるように練習していきましょう。
2:VERSANT writing testの「構成」
昨年に日経主催のセミナーでもお話ししましたが、私がオススメするライティングテスト「VERSANT」でも、このディスコースマーカーを効果的に使ってライティングできているかが測られます。VERSANTの結果表の「構成」部分には、次のような説明が書かれています。
スコアのサンプルイメージをご覧ください。

もちろん個人差はありますが、文法は比較的高いけど構成が低い――これが日本人に多い傾向です。日本人はお互い同士、同じような環境や背景、価値観を持っているため、言葉よりも空気を読むことが大事な文化です。これはハイコンテクストと呼ばれる文化です。ところが欧米は様々な人種や異なった価値観を持つ人々とコミュニケーションを取らなければならないので、ハッキリと言語で論理的に言わなければ伝わりません。これはローコンテクスト文化です。