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「日本中のウェブサイトがよくなる」確信した若手時代

――最初のキャリアは予想外のフィールドからのスタートだったそうですね。

SBテクノロジーに入社した際、仮配属となったのはコールセンター周りのシステム開発や営業などを担当する部署でした。ソフトウエアの開発を担当したかった私にとっては想定外でした。

しかし「じゃあ徹底的に学んでやろう!」というマインドセットを心掛けて、先輩方のトークをまねするなど必死に頑張りました。スタッフに気持ちよく仕事をしてもらうための話し方、役割の伝え方などがそうですし、進捗状況の見える化も学びました。そうして顧客サポートに関する1日当たりのコンタクトのノルマ達成件数といった、1年で達成しなさいとされていた業務のカリキュラムを3日でクリアしました。

その後3カ月でシステムエンジニア(SE)の部門に異動し、電子商取引(EC)サイトの運用を巡る取引先企業とのキャンペーン企画、開発部門と営業部門との橋渡しなどに携わることができました。そこで培ったプロジェクト管理や満足度向上などの手法は、今のCSの仕事に経験則として生きているかもしれません。システム開発やプロジェクトマネジメント、ビジネス実務に関する資格の取得にも励みました。

――高橋さんにとっての転機は。

サイトカタリストとの出合いが転機となる

サイトカタリストとの出合いが転機となる

2年目の年末に、米国発のウェブ解析ツール「SiteCatalyst(サイトカタリスト)」と出合ったことが大きかったです。SBテクノロジーに代理店のオファーがあったことが契機となりました。それまでの経験から「ECサイトの売り上げ向上のためにはアクセス解析が成功の鍵だ」と考えていた中で 、デモを見て「これがあると日本中のウェブサイトがグッとよくなる!」と直感したのです。

先輩とビジネスを一から立ち上げ、利用規約の策定からプレスリリースの作成、導入企業への毎月のリポート送付などを通じてEC環境の改善に貢献することができました。そのうち組織が15人体制まで拡大し、売上高も10億円まで増えました。当時は社内で人気ナンバーワンの部署にもなりました。その時に「自分がやりたかったビジネスはこれだ!」と確信しましたが、振り返るとCSへの素地はあったのかもしれません。

サイトカタリストとの出合いは、その後に楽天へ転職するきっかけにもなりました。自らの手でウェブサイトの改善に取り組みたいとの思いが募っていたところ、当時の国内企業で最も多く活用していたのが同社だったからです。当時は国内40・海外25の全ての拠点で導入していました。同社での3年半は「最終的に事業のカイゼンにつなげたい」との一心で、ウェブ解析と並行してA/Bテスト(ウェブサイトで試したい施策を複数パターン用意して、どちらがより効果の高い成果を出せるのかを検証すること)の仕組みの構築も進めました。

スタートアップに転職直後は苦労も

――楽天まではデジタルマーケティングの仕事ですね。CSの仕事に触れたきっかけは何でしたか。

14年2月に3社目として入社した、企業のウェブサイト改善などを手がけるKaizen Platform(カイゼンプラットフォーム)での業務でした。デジタルマーケティングの支援で大企業の案件に携わったことを通じて、物事を外部からうまく回すことの醍醐味や成功体験を得ました。同時に、売り手であるベンダーも買い手のユーザーも目標を実現できたことで「橋渡し役」を担っていると実感しました。どんなに良い製品でも、使いこなせなければ意味がないですから。

それまではこのような仕事は「コンサルティング」だと認識していましたが、米国出身の当時の上司に「これがCSだよ!」と言われて目が覚めました。そうして社内に専門の「CSチーム」が誕生しました。カイゼンにいたのは16年11月までの3年弱という短い間でしたが、このときにCSという考え方や役割が「多くの人の役に立てる、私にとっての天職だ」と確信しました 。

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