セカンドキャリアは「人の縁」がカギ 偶然を必然に
sfidaM代表 小沢松彦氏
キャリアとお金を考える
セカンドキャリアは事前に時間をかけて準備する必要がある(写真はイメージ=PIXTA)
セカンドキャリアを迎えるには何が必要でしょうか。中小企業のバリュー開発・社員教育などを手掛けるsfidaM(スフィーダム、千葉県浦安市)代表の小沢松彦氏は「人の縁」と説きます。人との偶然の出会いを無駄にしないコツを聞きました。
筆者の世代はちょうど今年、60歳の定年退職を迎えます。かつての同僚や仲間から、定年を直前にしての相談を受ける機会が増えています。皆、定年が年々近づいてくることが頭では分かっていても、会社で日々過ごしていると、なかなか具体的な準備に入ることができないものです。
「計画的偶発性理論」
ところが、いよいよ目前に迫ってくると、急に不安になるのでしょう。どうしたら、うまく転職できるのか。どんな資格を取ったら良いのか。あるいは個人事業主や会社設立についての相談もあります。どの道を選ぶにしても、急に自分一人で準備をすることは簡単ではありません。前もって時間をかけて準備していくことが必要です。
そのとき大事なのが人脈です。自分に機会を運んでくれる人の輪をどれだけ持っているかです。「計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)」という言葉をご存じでしょうか。心理学者のジョン・D・クランボルツ氏が1999年に発表し、キャリアの世界では大変有名な理論です。詳しい解説はインターネット上でもたくさん読むことができますので、それらに委ねたいと思いますが、私は「偶然をいかに必然にするか」「必然に結びつく偶然をいかに呼び込むか」ということだと、体験的に理解しています。その最初のきっかけを紹介してみたいと思います。