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外資系は職務に対して給与支給

日系は部署異動をしても給与額が下がることはほぼありませんが、外資系は職務に対して給与を支給する考えのため、その職から外れるとその給与も支給されなくなります。これが会社側としては比較的容易に高い金額が出せる理由ですが、個人としてはその職から外されることを考えるとリスクになります。

ここまで述べた通り、外資系企業の年収が高いことにはさまざまな理由があり、読者の方々の中には「外資系は年収が高いけれど、その分だけ仕事は厳しいな」と思った方もいるかもしれません。しかし、外資系で高い年収のポジションが多く募集される理由は、転職を考える際の選択肢として十分に合理的なものです。

外資系の中途採用市場では比較的高年収の求人が多く出ており、これは現在の高給を維持もしくは年収アップの企業選びの選択肢が大幅に増えるということです。従来から指摘されている通り、典型的な日本の大手企業のミドル層以上の人たちが、高い給与を維持したまま転職する手段がないため、我慢して会社にしがみつかなければならない状態、いわゆる「ホールドアップ」問題に悩まされている状況を鑑みると、転職して現状を打破できる機会が大幅に広がっていると言えます。

外資系は仕事の実力や結果を短期間で判断し、仕事自体に対して高い報酬を払う文化があり、それが魅力的と思う方にはチャレンジをする価値が十分にあります。これまで培った専門性や経験を生かし、高い年収で転職する手段として、英語を使う外資系を視野に入れることは選択肢の確保という点でも大きな価値があるでしょう。

黒沢敏浩
ハイクラス・管理職の転職に強い人材紹介会社のジェイエイシーリクルートメント(JAC)でマーケット研究などを担当し、ホワイトカラー転職市場や給与の分析などで約20年の経験を持つ。人材サービス産業協議会の「外部労働市場における賃金相場情報提供に関する研究会」委員や日本人材マネジメント協会執行役員「人事(HRM)の投資対効果(ROI)」担当も務める。日本証券アナリスト協会認定アナリスト。国家資格のキャリアコンサルタント、ISO30414リードコンサルタント。

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