「覚える」をスキル化し伝授 記憶アプリ開発者の方法
リブロ汐留シオサイト店
ビジネス書・今週の平台ビフォー・アフターでポイントを解説
各章とも節ごとに〈幅広く「記憶」した者だけが、生み出せるアイデアがある〉などとポイントが網かけで示され、書かれている内容がざっとわかる書き方になっているのが本書の読みやすさだろう。とりわけ3、4章は「ここを変える!」としてビフォー・アフターの形でポイントが示され、これがスキルポイントの解説としてわかりやすい。
例えば、記憶の第1ステップは「何を覚えるか決める」ことだが、その節のビフォーには「複雑な内容やあいまいな内容をそのまま覚えようとする」とあり、アフターには「複雑な内容や曖昧な内容は、7±2個のキーワードを使って自分の言葉に表現しなおしてから覚える」と書かれている。「何を覚えるか決める」段階では、こうした操作をするかしないかで覚える効率が変わると説く。
「最近、人の名前が覚えられなくなった」「IT系のビジネス用語が頭に入らない」など、覚えることで悩みを抱えているビジネスパーソンも少なくないだろう。そんなとき記憶をスキル化してくれる本書はちょっとした手助けになりそうだ。「連休明けの先週は店頭でもよく売れ、まとめ買いも加わって最近になく大きく売れた」と店舗リーダーの河又美予さんは話す。
『ずるい仕事術』が3位
それでは先週のランキングを見ていこう。
上位5冊のうち、近刊は2冊。堂々の1位が今回紹介した『記憶はスキル』だ。もう1冊の近刊が元テレビ東京の名物プロデューサーが自らの仕事術を明かした『佐久間宣行のずるい仕事術』で、3位に入った。1カ月以上上位で売れ続けている。2位の本と4位の2冊はいずれもロングセラーで、研修需要などで買われたとみられる。2位の本は問題解決の入門書で、03年刊行だ。4位の『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版』は17年刊の、自分の強みを見つける本。もう1冊の4位は、人材育成セミナーやコンサルティングを手がける会社の社長による09年刊の本を16年に文庫化した自己啓発本だった。
(水柿武志)