マーケティングDXへ「思いつき」より「データ」活用 成功のポイントを解説
『データドリブンマーケティングがうまくいく仕組み』 吉澤浩一郎・国本智映著
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デジタルトランスフォーメーション(DX)の必要性が言われ、企業にとって、経営にデータを活用することが必須課題になりつつある。なかでも、マーケティングDXに興味を持つ人は多いだろう。実際に取り組んでいるという企業やマーケティングプランナーも少なくないはずだ。しかし、比較的新しい分野であり、期待される成果をあげるのは簡単ではない。
本書『データドリブンマーケティングがうまくいく仕組み』は、マーケティングDXのなかでも関心の高い「データドリブンマーケティング」をとりあげ、基本、メリット、課題などを示し、成功させるためのポイントを明らかにしている。なお、本書でいうデータドリブンマーケティングとは、「顧客の属性、行動、嗜好性の定量・定性データ」(顧客データ)を基に、製品の開発や情報提供、提案、販売、アフターフォローと継続的な情報提供を行い、長く顧客とつながりをもつことを目的とする企業活動を指す。つまり、「顧客データを基に、売れる仕組みをつくり続けること」である。
データの活用には、部門を越えた連携が必要だ。したがって本書も、マーケティング担当者はもちろん、データを経営にもっと活用したいと考えている管理者層、コンテンツの企画・制作に携わる担当者を含め、データドリブンマーケティングの基本を知りたい多くの人に役立ちそうだ。
著者の吉澤浩一郎氏と国本智映氏は、共にマーケティングやインターネット利用に関するコンサルタント業務を手掛けるシンクジャム(東京・千代田)の共同創設者。吉澤氏は最高経営責任者(CEO)、国本氏は代表取締役を務める。
「コンテンツブリーフ」の役割とは
本書では、顧客データを(1)性別、年齢、居住地域などの「属性データ」と、(2)商品・サービスの検討、購入、サイトやアプリの使用、自社SNSをフォローしているかなどの「行動データ」に大別する。マーケティング施策で変化を狙うのは、顧客の態度変容によって数値や内容が変化しやすい「行動データ」だ。
では、どうすれば顧客に態度変容してもらえるのか。
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