その会議「マネル」では?アーティスト・スプツニ子!
ダイバーシティ進化論
ダイバーシティ男性ばかりが出てくる会議(panel)をマネル(manel)という。登壇者が男性のみでは本質的にいい議論ができない、という皮肉を含んだ言葉だ。
「All male panel(男性のみの会議)?」。米国マサチューセッツ工科大で助教をしていた2010年代半ば、SNS(交流サイト)のイベント告知で批判を込めた書き込みをよく目にした。当時、米国でもテクノロジー関連で登壇者は男性ばかりという会議は多く、男性からも疑問の声が上がるようになっていた。
では女性が1人でもいればいいか、というとそうではない。やはり人口の半分を占める女性がその場に十分いなければ、未来やイノベーションについて論点を網羅することは難しい。そんな問題意識から女性がほんの申し訳程度に参加する会議も批判の対象になっていた。
自分自身が改善を働きかけたこともある。日本に帰国後、声をかけていただいたテクノロジー関連のあるイベントは登壇者50人中、女性が2人しかいなかった。私から女性を増やしてほしいとお願いしたところ、主催者は「話せる女性がいない」ときっぱり。そこで私が50人分の女性リストを作って送った。

登壇者は男性ばかりという会議は多い(写真はイメージ=PIXTA)