変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

よく、多文化組織のプロジェクトなどで、「メンバーとして選考の対象にもあがらなかった日本人が、2〜3年仕事をしてみると、実際は、最初に選んだ誰よりもずっと仕事ができる人物だった」みたいな話を聞きます。これは、必ずしも選んだ人の判断力がなかったのではなく、この日本人が自分のできることを十分に説明していなかったというのも原因です。日本人的な考え方だと「言わなくてもわかってくれる」「あまり言いすぎると自慢みたいに聞こえる」ということになるかもしれませんが、とりあえず言っておかないと伝わらないわけですね。

<例文4>
What I value in my work is speed, and when I turn down a job, I turn it down as quickly as possible because if it's at the last minute, the other person will be in trouble.
自分が仕事の上で大事にしているのはスピードで、仕事を断る時はギリギリだと相手が困るから、できるだけ早く断ることなんだ。

自分が仕事で大事にしていることが何か、話すのもいいですね。そういったことを話すことで、仕事に対する信念が伝わり、信頼感や安心感をもってもらう効果もあるでしょう。 

<例文5>
I have visited the Jakarta office, the KL office and the London office. I want to visit the Singapore office next.
以前、ジャカルタオフィスとクアラルンプールオフィス、ロンドンオフィスへ出張にいったことがあるよ。今度、シンガポールオフィスにもいってみたいなあ。

仕事の出張の話も、その場所ごとの仕事の状況ややり方、ついでに立ち寄った観光地の話など、いろいろなことに話が広げられていいですね。

<例文6>
I came here because I want to set up a new agriculture business.
ここには、新しい農業ビジネスの立ち上げをやりたくて来たんだよ。
<例文7>
I was assigned here by regular internal transfer in April. My boss told me he was expecting expanding existing agriculture business, and I also want to do new forestry business.
ここには、4月の定期異動で来たんだ。ボスは既存の農業ビジネスの拡大を期待しているというし、自分は新しい林業ビジネスもやりたいと思っている。

なぜあなたがここにいるのか、それは転職理由であったり配属理由であったりすると思いますが、それがわかると、お互いに仕事がやりやすくなりますね。その職場に来た理由がわかれば、それに絡めた具体的な話ができますし、当たり障りのない漠然とした会話に終始するのではなく、実のある雑談ができそうです。そこに来た背景が少々込み入っていて、率直には話しにくいというケースも多いと思いますが、詳しい内容までは話さずとも、自分の立場などを伝えるだけで、ぐんと距離が縮まり話しやすくなるでしょう。

<例文8>
In fact, 15 years ago, I was so busy that I kept putting off reimbursing my business travel expenses because it was my own business, and missed the deadline, which cost me around a hundred thousand yen. Since then, I have been trying to set a date for the reimbursement of travel expenses.
実は、15年前、忙しさにかまけて、自分のことだからいいかと思って、営業交通費の精算を後回しにしていたら期限を過ぎちゃって、10万円ぐらい損したことがあるよ。それ以来、交通費精算の日を決めてやるようにしている。

英語の雑談において、自分の実績を話すのは効果的だとお伝えしましたが、時には逆に失敗や苦手なことについて話をすると、相手から共感を得たり、笑いを誘ったりすることができて話がはずみます。もちろん、ビジネスモラル上どうかと思うような話になってしまうと、かえって常識を疑われたり信用されなくなってしまいますので要注意ですが、たわいのない"あるある"な失敗談は盛り上がるのでおススメです。

<例文9>
I have young children. I am busy during holidays. And there are many events at their school. I take half a day off every couple of months for the PTA.
うちには小さい子どもがいて、休日なんかは相手をするのに大忙しなんだ。学校関係の行事もいろいろあるしね。そのPTAの関係で、数カ月に1回ぐらい半休を取ることになりそうなんだよね。

自分の家族の話というのも、相手との距離を縮める話題です。そして、上の例の「半休をとる」といった、実際に仕事に影響するような話は、それが起きる前に、雑談でそれとなく伝えておくといいですね。

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