変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

直接影響のある人にあらかじめ伝えておくのは、ビジネス上必要な伝達であり雑談ではないですが、普段から雑談の中で話しておくと、事情がわかってもらえていろいろと便利ですね。

「職場の人」の話をする、聞く

人のうわさ話ばかりするのも考え物ですが、社内の人事情報について互いに適切なレベルで知り合うことは、自分にとっても相手にとっても、組織にとってもいいことです。

<例文10>
Do you know anything about N, the new business development manager? I only know that her previous job was at ABC. What is her strong point? Could you tell me something about her?
新しく事業開発のマネージャーになったNさんのこと、何か知ってる? 前職がABC社ということだけ知ってるんだけど、どんな人なの? 何が得意な人? 教えて。

外部から新しくマネージャーに就いた人がどんな人かについての情報交換ですね。雑談の中で、どんな人かをあらかじめ聞いておけば、実際に仕事で話をするときの対策も立てやすいですね。  

<例文11>
Do you know anything about Mr. X who quit our company five years ago? I only know that he started preparation for a start-up e-commerce as his own business three years ago. I don't know his latest situation.
5年前に辞めたXさんって、3年前に自分のe-commerceの事業の立ち上げ準備をし始めたってところまでは知っているんだけど、最近何をしているの? 

こちらは、前の例とは逆に、以前同じ職場にいて退職した人の話ですね。同じ職場にいた人というのは、共通の話題もありどんな人かわかっているので、仕事が進めやすいものです。立ち話のときなどに、ちょっと情報収集しておくと、ニーズが生じたときにすぐに連絡して社外のパートナーとして取引できたりと、役立ちます。  

ネタを準備してビジネス環境を豊かにしよう

筆者は幼いころ、「なぜ年長者は(比較的誰もかれも)話が長いのか?」と不思議に思っておりましたが、今から考えればこれは当たり前で、長い経験に基づくネタの仕込みが多いということなんですね。話が長くなりすぎてしまうのは考え物ですが、経験からネタが仕込まれているので、初対面の人などにも話がよどみなく出てくるということは大きなポイントです。

ぜひ、「英語の雑談」でも、話せるように、ネタを仕込んでおきましょう。

英語については、「話し方」も「聞き方」も、参考になる表現集がたくさんあります。ですが、「気の利いた実用的な英語雑談の話し方」についてはなかなかよい資料はなく、自分もどうやったら効果的な雑談ができるかずっと考えてきたので、その一部を今回の連載で共有させていただきました。ぜひ英語で仕事をされている方々に、雑談の準備マニュアルとして参考にしていただければと思います。

「ちょっと知的な英語雑談のコツ」全5回、これにて連載を終了いたします。末筆ながら、あなたのビジネスの成功を願っています!

黒沢敏浩 
管理職・専門職・グローバル人材の転職に強い人材紹介会社のジェイエイシーリクルートメント(JAC)でマーケット研究などを担当し、ホワイトカラー転職市場や給与の分析などで約20年の経験を持つ。人材サービス産業協議会「外部労働市場における賃金相場情報提供に関する研究会」委員や日本人材マネジメント協会執行役員「人事(HRM)の投資対効果(ROI)」担当も務める。日本証券アナリスト協会認定アナリスト。国家資格キャリアコンサルタント。ISO30414リードコンサルタント。

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