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「評価されない自分」が評価されるために

すると上司は、納期よりも早く出してはいないけれどいつもニコニコしている同僚を「評価している」という事実が見えてきました。逆に、納期よりも早く出すけれど多少のミスがありニコニコしていない私のことは「評価していない」という現実も見えてきました。それが明らかになったことで、ニコニコしてみようとか、何度も見直してミスをなくそうとか、評価されない自分が評価されるためにはどうすればいいかを、現状分析して実行していきました。それでも東京の事務所はレベルが高く、つらくなってしまい1年10カ月で辞めました。

日経転職版特別セミナーに登壇した田村麻美さん

日経転職版特別セミナーに登壇した田村麻美さん

-そこから別の事務所に移った後、状況が一変したそうですね。

税理士の資格は取りましたが、「自分は税理士には向いていないのではないか?」と思い、実家のある埼玉で一般企業への就職について考えたりもしました。でも、客観的な評価を考えると、やはり私の武器は頑張ってとった税理士資格しかありません。そこで、「場所」を変えてみることにして、東京ではなく埼玉の税理士事務所に転職しました。

「自分は評価されないのではないか?」「また怒られるのではないか?」という気持ちで働き始めたら、びっくりするほど評価が高かったんです。例えば、私は東京の事務所ではパソコンが使えないほうだと感じていたのですが、会社を変えてみたら「パソコンができる人」という評価に変わっていました。自分の中身はまったく変わっていないのに、場所を変えるだけでこんなにも評価が変わるのだと驚きました。

-キャリア分析をするときのコツはありますか。

客観的に冷静に、自分の武器をノートに書き出すことだと思います。今でも一年に一度は、私もこれをやっています。皆さんも転職活動などで履歴書や職務経歴書を書くためにキャリアの棚卸しをした経験があると思いますが、私は29歳で税理士事務所を開業したときに、開設したホームページにいわゆる「公開履歴書・公開職務経歴書」を出さなければなりませんでしたから、そのときに自分の武器の書き出しをかなりやりました。注目してくれるお客さんがいるかもしれない客観的事実は、武器の1つとしてすべて並べて書き出しました。

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