時代はエビデンスベースへ ビジネスで経済学が必須に
エコノミクスデザイン代表取締役 今井誠 (8)
「経済学」はビジネス最強の武器経済学というソリューションを活用する
今回まで、ビジネスでの経済学の必要性から実際の活用事例まで様々な場面を説明してきました。エコノミクスデザイン創業以来、ビジネスの武器となる「経済学」のエッセンスを濃縮して学ぶオンラインスクール"The Night School"と様々な企業の課題解決のソリューションを提供しています。
欧米企業は、企業成長な収益拡大にとても貪欲です。公共データや企業が保有しているデータをもとに分析・経済実験を行ったり、学知をもとに様々な戦略立案を行ったりしています。経済学の知見を、企業収益のための武器に活用している。欧米の研究や企業の事例を見ると、本当に膨大な研究がビジネスと直結しています。実際に経済学を活用している企業は、この20~30年間で大きく成長しているのは、GAFAMを見れば、明らかです。
欧米と日本の違いは、どこにあるのでしょうか? その貪欲さも一つの違いかもしれません。でも、それ以上に欧米企業の成功事例が、日本企業には届いていないことが問題なのです。実際、成功事例、それも自社課題に類似した事例が、情報として届けば、即行動に起こす企業は非常に多くあります。実際、いつくかの成功事例が出てきたソリューションは、多くの企業で自社での実装に動き始めています。自分たち自身が、その流れの真っただ中で体感しているのです。
改めて皆さんにお伝えしたいのは、経済学をただ机上の勉強として学ぶのは、本当にもったいない、ということです。特に、ビジネスパーソンは、日々の経済活動と照らし合わせて学ぶと、「これって自社の課題に近いかも」と感じる瞬間がたくさんあるはずです。実際私自身も、多くの研究者に教えを乞うことで、「この研究ってこのビジネス課題と近いかも」とひらめく瞬間が多々あります。
経済学者は「この学びは、このビジネスに使えますよ」と教えてくれるわけではありません。机上の学問として聞くと、腹落ちしないかもしれない。しかし、自分たちのビジネスを成長させる武器として貪欲に使い切ってやろうという思いで聞くだけで少し見える景色が違うかもしれません。
この連載を読んで、「もしかしたらビジネスに使えるかもしれない」と思ってくださったビジネスマンの方々。「経済学ってたくさんの数式も出てくるし難しそう」と少し引いてしまうこともあるかもしれません。すべてを理解できなくても、考え方を学ぶだけで見える景色は変わってくるはずです。まずは、第一歩を踏み出してみてください。これから、生き残る企業や生き残るビジネスマンは、自らチャンスを見つけ自発的に行動を起こすことができる企業や人のみです。