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教育のアップデートに自ら動く

著者の孫泰蔵氏はソフトバンクグループを率いる起業家・孫正義氏の弟で、連続起業家として知られる。投資家としてスタートアップの育成にも取り組んできた。2016年からは本書に記した探索の旅を実践するように、子供たちに創造的な学びの環境を提供する事業に力を注いでいる。

この事業こそ、本書の最後の方に出てくる「仲間と遊びながら『どうすればこの世界を良くしていけるか?』を探求する場」にあたるのだろう。本書が訴える「教育のアップデート」がどこまで広がりを見せるかは未知数だが、人生100年時代を迎えて生き方のリデザイン(再設計)が求められる今、気にかけておきたい視点だ。

「木曜日の入荷なのに、一気にこの週(月〜日)のランキングトップになった。すごく勢いのある売れゆき」と、同書店でビジネス書を担当する神園智也さんは話す。本文に出てくる大思想家たちの本とともに特設の平台を設置しており、販促にも力が入る。本の中でも巻末に取り上げた本17冊のリストと世界地図上でのマッピングが示されており、教育や学びを考えるブックガイドしても役に立つ。

『小さく分けて考える』が2位

それでは、先週のランキングを見ていこう。

(1)冒険の書孫泰蔵著(日経BP)
(2)小さく分けて考える菅原健一著(SBクリエイティブ)
(3)世界のマーケターは、いま何を考えているのか?廣田周作著(クロスメディア・パブリッシング)
(4)世界を変えたブランド広告杉山恒太郎著(日本経済新聞出版)
(5)さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版トム・ラス著(日本経済新聞出版)

(青山ブックセンター本店、2023年2月13~19日)

1位は紹介した『冒険の書』。2位の『小さく分けて考える』はデジタルマーケティングで多くの実績を積み重ねた著者によるビジネス思考法の本だ。3位の『世界のマーケターは、いま何を考えているのか?』は21年11月刊と刊行から1年以上たつが、この店では一貫してよく売れている。本欄では「次世代のマーケティング像 世界の事例を読み解き探る」の記事で紹介した。4位の『世界を変えたブランド広告』は、タイトル通りの広告作品を30以上取り上げて、広告の時代的変遷とともに解説した本だ。自分の強みを知るウェブテストのアクセスコードがついた『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版』が5位に入った。

(水柿武志)

冒険の書 AI時代のアンラーニング

著者 : 孫 泰蔵
出版 : 日経BP
価格 : 1,760 円(税込み)

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