変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

「自分でビジネスをつくる体験」が視野を広げる

45歳以上の人から転職の相談を受けているとき、たとえば「年収は1500万円以上、役職は部長以上、業種はこれまで経験してきた世界で」という希望条件を持っている人と会った場合、「雇用されるという選択肢と合わせて、『起業するとしたらどうするか』というプランを検討してみるのはいかがですか」と勧めることがよくあります。

「起業なんてとんでもない。私には向いていないし、リスクがありすぎる」と、ほとんどの人は率直に抵抗感を示します。しかし、年齢が高くなって、応募できる求人数が減少し、応募できる求人が見つかっても競争率が高くなっている状況で、「雇用されること」の一辺倒で転職活動することにもリスクがあります。

具体的には転職活動が長期化したり、不採用が連続したりすることで気持ちが滅入ってしまうことなどを指しています。こうした追い詰められた状態になることを避けるために、「万が一、転職がうまくいかなかった場合に、いざとなったら起業する方法もある」と考えられるだけで、心理的な余裕が生まれ、面接での態度や話し方でもより強く自分らしさを表現できるメリットがあります。

また、実際に起業しなくても、ビジネスを自分でつくりだす体験は視界を広げる効果があるので、今後仕事をしていく上で、必ず役に立つと思います。ミドル世代のキャリアクライシスは、自分のキャリアを自ら主導権を持ってコントロールする力を磨くことで、必ず回避できると信じています。

黒田真行
 ルーセントドアーズ代表取締役。日本初の35歳以上専門の転職支援サービス「Career Release40」を運営。2019年、中高年のキャリア相談プラットフォーム「Can Will」開設。著書に『転職に向いている人 転職してはいけない人』、ほか。「Career Release40」 http://lucentdoors.co.jp/cr40/ 「Can Will」 https://canwill.jp/

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