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中長期な視点でもキャリアを開発

読書などを習慣とし、知識やスキルを日々蓄積していくことは重要だが、一方で、中長期的な視点でキャリアを開発していくためには、どうすればいいのだろうか。

キャリア開発の基本は、「(1)現状を把握する(2)目標を設定する(3)適度な負荷を与える(4)徐々に強度を高める(5)日常的に習慣化する」の5つのステップだと田中さんはいう。

「まずは、(1)自分がこれまでに蓄積してきた知識やスキル、人とのつながりを客観的に棚卸しするところから始めましょう。(2)次に、3カ月後までにどのような知識やスキル、人とのつながりを蓄積したいのかを考え、必要なアクションを設定。(3)設定した目標を達成するために、『自分が経営者もしくは上司であれば、自分の働きぶりをどう評価するのか』と考え、適度な負荷を与えながらアクションを起こしていきます」

「(4)そして目標として設定したアクションの中で、少しハードルを上げて実施できそうなものは強度を高めながら行い、(5)これら5つのステップを習慣として実行するのです。この5ステップを意識して仕事に取り組むだけで、キャリアの成長が促されるはずです」

34歳の会社員の悩みを13のワークで解決

中長期的な視点でキャリア戦略を練りながら、チャレンジを繰り返すことで、時代に取り残されないキャリアを築いていくことができる。

定年まで1つの会社で勤め上げることが主流とは言えなくなった中、キャリアのオーナーシップを持つことが当たり前の自分になっていれば、どんな社会変化にも適応していけるという自信とともに、自分の道を切り開いていけるはず。

本書では、突然の異動で昇進の望みが絶たれた34歳の会社員・佐藤さんを主人公にしたストーリーを展開しながら、キャリアの悩みを解決する13の方法を解説。その具体的かつ実践的な13のメソッドを「キャリア・ワークアウト」と名付け、自分らしいキャリアを持続的につくっていくためのトレーニングとして紹介している。

「仕事がマンネリ化している」「他の会社や仕事がうらやましい」「昇進ができない」といった悩みや、「転職すべきか今の会社に残るべきか」「どんな副業をすればいいのか」といった疑問にも答えているので、キャリアの行き詰まりから脱出して一歩前進したいと思っている人に、ぜひ読んでいただきたい一冊だ。

(日経xwoman編集部 青野梢)

田中研之輔
法政大学キャリアデザイン学部教授。一般社団法人プロティアン・キャリア協会代表理事。キャリアナレッジ代表取締役。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士(社会学)。専門はキャリア論、組織論。著書に『プロティアン』(日経BP)、『ビジトレ』(金子書房)、『プロティアン教育』(キャリアナレッジ)、『新しいキャリアの見つけ方』(アスコム)、『今すぐ転職を考えていない人のためのキャリア戦略』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。

キャリアの悩みを解決する13のシンプルな方法 キャリア・ワークアウト

著者 : 田中研之輔
出版 : 日経BP
価格 : 1,760 円(税込み)

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