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東大卒は一部企業に偏りすぎ

「じゃ、次にうちの会社全体を研究、科学してよ!」と遠藤社長に誘われ、入社することになった。ゲオは国内外に店舗展開しているが、出店戦略などは担当者の経験と勘に頼るケースが多く、デジタルトランスフォーメーション(DX)では出遅れていた。データ分析など科学的なアプローチで業務改善する必要性に迫られていた。

東京大学の安田講堂

東京大学の安田講堂

矢口さんは「東大生は1学年に約3千人。一方で日本の上場企業も3千社余りあるが、東大生が就職するのは著名な大企業やコンサルばかり。一部の企業に偏りすぎていて、これはもったいない。ゲオはあらゆる消費財を扱っていて、研究し、科学するには最適な場。この舞台の上で踊るのは面白そうだと。そういう意味で暴れられると思った」と説く。

一方で、「東大出の生意気な男と嫌われるかも」との不安もあった。ただ、杞憂(きゆう)に終わった。もともと矢口さんは、都会育ちのエリート学生ではなく、地方出身の苦労人、上から目線で人と話すこともない。

入社5カ月で九州の店舗の家電販売トップに

21年4月に入社して5カ月は、現場を知るため佐賀県のセカンドストリートの店舗勤務となった。当時は売り上げが伸び悩んでいた家電担当となったが、店長から「九州一を狙ったら」と励まされ、中古家電の買い取り、販売、在庫、価格値付けの「自由研究」に取り組んだ。

「なるほどこんなサイクルで回っているのか」と試行錯誤しながら、データを検証して勝ちパターンを探り当てた。結果、5カ月目には家電で九州一の売り上げとなった。次は東京本部の在庫管理プロジェクトチームに配属され、22年4月から社長室の配属になった。

科学的なアプローチでゲオの課題を解決するため、各部門の担当役員から現場のパートに至るまで、まずヒアリングして回った。「役員はこう言っていたけど、パートの人の意見は違うな」と時には頭をかき、本部の100人以上の人と対話しながら、課題を探った。

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