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佐藤智恵(さとう・ちえ) 1992年東京大学教養学部卒業。2001年コロンビア大学経営大学院修了(MBA)。NHK、ボストンコンサルティンググループなどを経て、12年、作家・コンサルタントとして独立。「ハーバードでいちばん人気の国・日本」など著書多数。日本ユニシス社外取締役。

佐藤智恵(さとう・ちえ) 1992年東京大学教養学部卒業。2001年コロンビア大学経営大学院修了(MBA)。NHK、ボストンコンサルティンググループなどを経て、12年、作家・コンサルタントとして独立。「ハーバードでいちばん人気の国・日本」など著書多数。日本ユニシス社外取締役。

佐藤 今回の『LIFE SHIFT2』では特に行動戦略に焦点を置いています。その理由は何ですか。

グラットン 前作の『LIFE SHIFT』では主にかつてないほど長寿を生きる時代が到来している現実や、人生100年時代をより良く生きるためのビジョンを示しましたが、共著者のアンドリュー・スコット教授と私は、もう少し具体的に何をやるべきなのかを様々な世代の読者に向けて伝えたいと思いました。

そこで『LIFE SHIFT2』ではロンドンビジネススクールのMBA(経営学修士)プログラムの講座『未来の働き方』(Future of Work)で教えている内容も反映させ、人生の設計方法から学び方、働き方まで指南することにしたのです。

佐藤 本書では年齢も居住地も違う7人の架空のキャラクターが登場し、それぞれの目線から人生の選択を描いています。米国人、英国人、インド人などに加えて20代の日本人カップル(ヒロキとマドカ)が登場していますが、彼らは金沢在住という設定です。読者の間では「なぜ東京や大阪ではなく金沢なのか」と話題になっています。

グラットン 日本の皆さんがヒロキとマドカに関心を持ち、話題にしてくださっているのはうれしいですね(笑)。金沢在住にしたのは2つ理由があります。まず1つめが、私自身が金沢という街をとても気に入っていること。実際に訪れたこともありますが、本当に美しい街でした。もう1つが日本政府の「人生100年時代構想会議」で地方創生の重要性についても議論したこともあり、登場人物はできる限り地方都市在住の設定にしたいと思っていたことです。日本人だけではなく米国人なども地方在住の設定にしてあるのはそのためです。こうした理由から迷わず金沢在住にしました。

日本の若者にヒントを与えたい

佐藤 日本の人口の中位年齢は48歳で、日本は世界の中でも高齢者の割合が大きい国ですから、典型的な登場人物は中高年世代になるはずです。あえて20代半ばの若者の目線から日本人の人生戦略・行動戦略を考えたのはなぜですか。

グラットン それはとても良い質問ですね。その理由は今回は特に日本人の若者に人生100年時代をより良く生きるためのヒントを与えたいと思ったことです。私はこれまでロンドンでも日本でも多くの日本人学生と意見交換してきましたが、ほとんどの学生が自らの将来に不安を抱いていて、「こんなに長い人生をどう生きていったらよいのかわからない」「時代に合った新しい生き方をしたいと思っているが、それでは両親の期待に添えないかもしれない」といった悩みを私に打ち明けてくれました。まずはこうした日本の若者の疑問にストレートに答えたいと思ったのです。

一方で、著者の私たちにはヒロキとマドカの生き方を通じて、日本の中高年世代の皆さんにも伝えたいことがありました。それは子どもや孫の世代は私たちの世代とは人生の前提が違うということです。私自身も20代の子どもの母親ですが、私たちの若い頃とは人生の長さも人生を取り巻く環境も全く違います。中高年世代の読者には、「あなたの人生には私たちよりも多くの選択肢がある」という希望を子どもや孫に伝えてほしいと思いました。

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